ハリネズミって可愛いですよね、最近はペットとして飼うのも珍しくありません。しかしハリネズミの飼い方を知るきっかけは、なかなか無いと思います。
犬や猫は周りで飼っている人がいるけど、果たしてハリネズミはどのように飼うのだろうかと悩んではいませんか?
この記事ではハリネズミの習性を理解しながら、家で飼うにはどのようなもの、設備が必要か、注意事項、心構えについてを紹介していきます。
ぜひ「もし家で飼うなら、、」とイメージしながら最後まで読んでみてください!
(アイキャッチ画像出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/7133412/)
意外に知らない?ハリネズミの生態4つ
まずはハリネズミとはどんな生物なのか、生態について理解していきましょう。
- ハリネズミ科だけどモグラに近い
- 生息地は温帯から砂漠まで様々
- 危険を感じると棘を使う
- 寿命は2〜5年
ハリネズミ科だけどモグラに近い
ハリ「ネズミ」なので「ネズミ」に近い生物かと思いきや、実はハリネズミはモグラの仲間なのです。見た目がネズミに似ていることから「ハリネズミ」と名がつけられました。
実態はモグラなので、目があまり見えておらず、視界はぼんやりしています。飼い主の顔などは判別できません。
その代わり嗅覚が非常に発達しています。安心する場所かどうかも匂いで判断するので、書い始めてからお家に慣れるまでは、家の匂いを覚えさせましょう。
生息地は温帯から砂漠まで様々
ハリネズミの生息地はヨーロッパ、アフリカ、中近東、東アジア、ロシアなど広い地域に分布しています。日本では外来種として扱われます。
生息している場所の気候も様々ですが、寒さには弱い生物です。アフリカの砂漠の冬に、穴蔵を掘って冬眠する種類もいます。ハリネズミの生息しやすい環境づくりが大切です。
危険を感じると棘を立てる
ハリネズミといえば、背中についている「棘」ですね。この棘は敵からの危険を察知した時や、木などから落下する時の衝撃を抑える効果もあります。
しかし、危険でないとわかれば普段は棘を寝かせているので撫でることも可能です。優しく扱ってあげましょう。
寿命は2〜5年
寿命はおおよそ2〜5年と犬や猫に比べると短命です。温度管理が上手くならないともっと早くに死んでしまうケースもあります。
人間で換算すると1歳で18歳、十分な大人です。繁殖の時期も生まれてから一年以内で可能となります。
ハリネズミの習性も知っておこう
次にハリネズミの習性について知っていきましょう。知らなかった一面があるかもしれません。
- 夜行性
- 単独行動
- 寒いと冬眠、暑いと夏眠
- 泡つけ
夜行性
ハリネズミは繊細でストレスを感じやすい動物です。可愛いからといって日中に触りすぎるのは控えましょう。
ハリネズミは夜行性の動物です。飼い始めはハリネズミの生活リズムを見守って、飼い主側が配慮すべきです。一緒に過ごしていると生活リズムが一緒になることもありますよ。
単独行動
ハリネズミは群れを作りません。単独生活させるために複数匹飼う場合でも、別々のゲージに入れてあげましょう。
オスとメスの組み合わせでも繁殖期以外に一緒に入れてしまうと喧嘩しストレスを受けてしまいます。ストレスが続くと病気になる可能性もあるので気をつけてください。
寒いと冬眠、暑いと夏眠
ハリネズミは寒いと冬眠、暑いと夏眠します。ペットとして飼う場合は、どちらも体への負担が大きく、最悪死んでしまうこともあります。
生活環境は温度調整に気をつけましょう。適正温度は25〜29度で、一年中温度を保つ必要があります。夏と冬は特に気をつけましょう。
泡つけ
ハリネズミは初めての匂いを嗅ぐと、舐めてかじって口の中に入れて泡状の唾液と混ぜ、長い舌で針の先に塗る習性があります。
その習性の理由はわかっていませんが、驚いた時の反応とも言われています。
家に来たばかりのハリネズミは泡つけを多く見せますが、病気ではないので安心してください。いつまでもやるようでしたら一度病院に見せてみると良いでしょう。
ハリネズミの種類代表3選
ハリネズミの種類は、5属16種類で色や生息地が異なります。ここでは代表3種を紹介していきます。どんなハリネズミを飼うかの検討材料にしてください。
- スタンダード
- アルビノ
- パイド
スタンダード
最もメジャーな種類です。色は皮膚、目、鼻、口が黒く、針が白と黒でお腹が白です。アニマルカフェにもよくいるタイプにです。
値段は5,000〜25,000円とハリネズミの中では安価な種類となります。
アルビノ
全身が真っ白で目が赤い、特徴的な種類です。スタンダードとまた違う魅力があり人気になっています。
値段は15,000〜30,000円とスタンダードより少し高価な種類です。
パイド
珍しい品種で斑模様が特徴的です。白と黒のツートンカラーになってます。個体によって模様が違うのも可愛らしい特徴です。
値段は珍しい品種ということもあり20,000〜30,000円と少し高価です。
ハリネズミの飼い方:準備しておくもの
ここまでハリネズミの実態について詳しく解説してきました。ここからはハリネズミを飼うにあたって知っておくべきこと、注意することを大きく6つに分けてまとめていきます。
まずハリネズミを実際買うとしたら何が必要になると思いますか?飼い方、飼うために準備しておくものについて解説していきます。初期投資は約2万程度でしょう。
- ゲージ
- 餌
- ハウス
- 床材・トイレ
- 回し車
- 餌入れ
- 給水器
ゲージ
ハリネズミは動きが活発なので、狭いゲージだとストレスを感じてしまいます。可能な限り広めなものを用意してあげましょう。
アクリル製と金網製のものがありますが、アクリルは通気性が悪く保温性が良く、金網は通気性が良く保温性が悪いです。
ハリネズミにとって温度管理(25〜29度)はとても大事なのでアクリル製がおすすめですが、ダニなどの繁殖の恐れもあるのでこまめに掃除してあげましょう。
餌
おすすめの餌については事項で詳しく説明しますが、基本ハリネズミは肉食なのでタンパク質を多く配合されているか、なおかつバランスが取れているかを確認して購入しましょう。
小さい頃は硬いものが食べられないこともあるので、ふやかして食べさせられるものを選ぶべきです。徐々に成長、体調に合わせて変化させるのも良いかと思います。
ハウス
ハリネズミは先に書いたように生態はモグラです。暗い、穴のような場所を好みます。穴のない場所、ずっと見られる場所はストレスになってしまいます。
ゲージの中に暗くて安心できるハウスを置いてあげましょう。ハムスターより大きくなるため飼うハウスのサイズには注意してください。
床材・トイレ
床材はペットシートがおすすめです。消臭効果もあり、掃除もしやすいです。ウッドチップにする場合は針葉樹素材だとアレルギーが出る可能性があるので広葉樹素材にしましょう。
トイレはハリネズミによってはする場所を覚えてくれます。同じ場所でしているようであればそこに設置したり、設置したトイレに糞を置いとくとマネしてしてくれます。
回し車
先にも書きましたが、ハリネズミは活発な生き物です。回し車など動ける遊具を設置しておきましょう。
また適度な運動は人間と同じく病気の予防にもなります。夜行性で夜に走る可能性があるので、音の出ないタイプをオススメします。
餌入れ
餌入れはハリネズミの体格に合わせた低いお皿を準備しましょう。わからない場合は買ってみて、様子をみてみましょう。
ご飯の量は大さじ3杯程度なので、皿の大きさも小さいもので良いです。
給水器
給水ボトルを準備し、ハリネズミの飲みやすい口の高さに合わせて設置してあげましょう。餌の皿同様、ハリネズミの様子を見て設置してあげてください。
皿に入れるタイプの水入れでも良いですが、水が汚れる、ハリネズミが濡れてしまうこともあるので給水ボトルをオススメします。
ハリネズミの飼い方:餌BEST3
ここではハリネズミが何を食べて生きているのかについて詳しく解説していきます。
ちなみに野生のハリネズミは主に昆虫類、またカエルなどの両生類や爬虫類、土の中にいるミミズなど肉食に近いです。果物や木の実を食べることもあります。
ペットとして飼う場合は市販の餌を買うことが想定されますね。タンパク質量、賞味期限、獣肉メインのバランスなどを加味し、人気BEST3は以下の商品です!
- ハーリーの主食
- Fayハリネズミフード
- ハリネズミ専用バランスフード
ハーリーの主食
鶏肉粉や玄米メインの栄養価を考えられた餌で、主食にピッタリです。タンパク質の多いヘルシーなものです。ドライでもふやかしても食べることができます。
食感がよく食いつきがいいので、あまり餌を食べなくて困ってる方にもおすすめです。
Fayハリネズミフード
通常のペットフードにはあまり入っていないビタミンやミネラルもしっかり配合されています。
硬めに作られているので、歯茎が弱くならず、野生のハリネズミのように歯と顎を使って食べることができます。少し高価ですが、健康を考えるとこの商品もおすすめです。
ハリネズミ専用バランスフード
世界各国の動物園でも使用されているハリネズミフード。粒が小さくふやかさなくてもドライなままで食べやすくなっています。
大容量入っていて、コスパも良いので複数匹飼う場合にはおすすめです。
ハリネズミの飼い方:メリット
ここまででハリネズミを飼った時のイメージがなんとなく掴めてきたでしょう。ここからは他のペットを飼うのに比べて、ハリネズミを飼うメリットとデメリットを挙げていきます。
- 鳴き声が小さい
- 毛がない
- しつけられる
鳴き声が小さい
ハリネズミの鳴き声はとても小さいです。集合住宅でも飼いやすい動物と言えます。全く鳴かないわけではありません。ハリネズミは鳴き声によってご機嫌がわかります。
鳴き声は、小鳥のように「ピピッ」「ピーピー」と聞こえます。これは満足している時の反応です。痛みや恐怖感がある時は「グウェー」「ギエー」と鳴きます。
鳴き声に普段と違う、異常を感じたら動物病院に連れて行くようにしましょう。
毛がない
犬や猫を飼ったことのある方は分かると思いますが、動物を飼うと家のそこら中に毛が舞って汚れてしまう、という経験があると思います。
ハリネズミは1日に10〜20本の針が抜けるだけで、家が汚れるほどにはなりません。
逆に家が汚れるほどの針が抜けたり、フケのようなものが見られたら病気の恐れがあるので注意しましょう。
しつけられる
犬ほどではありませんが、飼い主に慣れてくるとしつけを覚えることができます。トイレやハウスなど生活に必要なものは覚えさせましょう。
ただ元々視覚が悪く、臆病な生物です。毎日飼い主の匂いを嗅がせ、安心させることが第一です。嗅覚と聴覚も敏感なのでストレスのない環境に置いてあげましょう。
そうすると、「この匂い、この声が聞こえたらご飯の時間だ」のように徐々に日常生活にも慣れていきます。
ハリネズミの飼い方:デメリット
メリットもあればデメリットもあります。デメリットを事前に知り、自分の生活にどのような影響を与えるのか考えながら飼うことを検討しましょう。
ご飯は1日2回、離れられない
他のペットと同様ですが、ご飯を1日に2回与えなくてはならないので、長期的に離れることができません。加えてトイレ掃除をしないと衛生的に問題があります。
探してみるとハリネズミを預かってくれる「ペットホテル」もあるので、長期的に家を離れる場合はそのようなところを利用して対応していきましょう。
温度調整のため光熱費がかかる
先ほど書いたようにハリネズミの生活環境は、温度を年中25〜29度に保たなければ命の危険があります。一年の半分以上、クーラー等を使用しなくてはなりません。
そのため光熱費がいつもよりもかかることになります。飼う前に身構えておきましょう。
ハリネズミの飼い方:病気のサイン
ハリネズミにはなりやすい病気、病気のサインがあります。きちんと理解して、病気の原因を作らないように飼っていきましょう。なりやすい病気について4つピックアップします。
- 腫瘍
- 便秘
- 糖尿病
- 寄生虫
腫瘍
腫瘍はハリネズミが一番かかりやすい病気です。遺伝や環境が主な原因と考えられていますが、3歳以上でも発症しやすいので要注意です。
見られる症状は「しこり」「腫れ」「体重減少」「食欲不振」「腹水」などで腫瘍の場所によっては出血することもあります。
異常が見られたら動物病院へ連れていき、腫瘍の摘出、抗がん剤などで治療を行います。早期発見のために日々の健康チェックを行いましょう。
便秘
便秘は運動不足や水分不足からおこります。「食欲不振」から分かることがあります。
長期間、便が出ていないと最悪死んでしまいます。マッサージ、消化に良い食べ物を与える、運動をさせるなどの対処を取りましょう。
糖尿病
糖尿病は人間と同じく、糖分の高い食べ物を食べすぎると発症してしまいます。「多飲多尿」「痩せる」などの症状が見られます。
そのような症状が出た場合、与える餌を見直して糖分を抑える食生活をさせましょう。体重を管理して体調を見てあげてください。
寄生虫
寄生虫とはダニのことで、ハリネズミに寄生することがあります。「針は抜ける」「毛が抜ける」「痒がる」「元気がない」「食欲不振」などの症状が見られます。
動物病院に連れて行って駆虫剤にて連日治療してもらう必要があります。またダニは、ハリネズミの飼育スペースでも繁殖するので飼育器具を熱湯消毒しましょう。
それ以外にもペットショップで飼った時点で寄生している可能性もあります。他の病気にも言えますが、ハリネズミの様子を見て体調を適切に管理・対応してください。
ハリネズミの飼い方:接し方
ハリネズミはストレスを感じやすい動物です。犬、猫のように接してしまうと病気になってしまう場合もあります。以下の2点に注意して触れ合っていきましょう。
触れすぎず離れすぎず
ハリネズミが可愛くて、ついずっと触っていたくなりますよね?ただハリネズミのような小動物は触れすぎるとストレスになってしまいます。
あまり触りすぎないように、でも飼い主の匂いを覚えさせるように毎日触れてあげましょう。適度な距離感が大事です。
ゆっくり絆を深めてく
「触れすぎず離れすぎず」をゆっくり続けていきましょう。ハリネズミはいきなり懐きません。
じっくり絆を深めることで、ハリネズミは飼い主として安心できる存在と認めてくれます。気長に待ちましょう。慣れたら針を寝てくれます。
まとめ:ハリネズミの生態に合わせた飼い方をしよう
ハリネズミに限らず、ペットを飼うにあたって大事なのは、生態の理解、生態に合わせた環境の準備です。ハリネズミを飼うことができるようそれらをまとめてきました。
一番重要なのは温度管理を年中25〜29度にしなくてはならないことだと思います。そこを怠ると早くに死んでしまうこともあるのでしっかり管理してあげましょう。
ハリネズミを飼うイメージができてきたかと思います。基本臆病な動物なので、優しくゆっくり絆を深めて、かわいいハリネズミを愛でていきましょう!