亀は見た目や動きが愛らしくて飼いたくなりますよね。私も飼っていたことがあるので、良くわかります。
ただ、亀の飼い方や注意するべきことを知ってから飼育を始めてください。大変な思いをして、飼育放棄につながる可能性もあります。
気をつけるべき3つのことは「水槽の大きさ」「におい」「長生き」です。
この記事では、上記3点の解説の他にも飼育方法・飼いやすい亀の紹介・必要な飼育設備などについても紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
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亀を飼う前に気をつけるべき3つのポイント
亀を飼う前にこの3つについては理解しておいてください。「水槽の大きさ」「におい」「亀の寿命」です。
亀を飼う前にこの3つを理解しておかないと、飼育放棄につながる可能性もあります。それぞれについて解説をしていくので、知らないところはしっかり読んでください。
水槽の大きさ
水槽での飼育は水槽サイズに注意しましょう。甲羅の3倍の長さの水槽が必要になります。子亀であれば、成長したあとのサイズを把握しておく必要があります。
アパートやマンションでは飼えるスペースにも限りがありますので、最後まで飼育できるスペースが確保できるかを確認しておきましょう。
- ミドリガメ 30㎝前後
- ミシシッピニオイガメ 10㎝前後
- クサガメ 20㎝前後
- ニホンイジガメ 15㎝前後
比較的よく見る種類の亀の大きさになります。20〜30㎝前後まで成長する亀は90〜120㎝水槽が必要になってきます。
におい
亀は水中で糞やオシッコをしています。餌の食べ残しなどからもアンモニアが発生し、においの原因になります。臭いが出ることは理解しておいてください。
亀の水槽は手入れを怠ると、かなり臭いです。餌の管理や水換えをしっかりしていれば、におい問題は解決できます。
亀の寿命
亀の寿命は種類や飼育環境によっても変わりますが、平均すると30〜50年です。
短い寿命の種類でも10〜15年は生きますので、長い付き合いになります。この先も飼い続けられるのか、よく考えてください。
基本的な亀の飼い方
亀を飼うには水場と陸場が必要になります。水場に住んでいる亀でも日光浴が必要です。日光浴をしないと病気になる場合があります。
水温と気温にも注意が必要です。暑すぎても、寒すぎても亀には悪影響になります。亀に最適な室温は28〜32℃です。水温は25℃が適温になります。
室内飼育で日光浴の代わりに、照明器具を使う場合があります。この場合は30〜35℃の温度が最適です。
亀の餌は市販の餌を与えていれば問題ありません。市販の餌を食べてくれない場合は、生き餌をあげる必要があります。
亀の飼育にかかる金額
亀の飼育にかかる設備の初期費用と月々でかかる費用を考えておきましょう。飼育環境を整えるための初期費用は、屋内で約1万〜1万5千円です。
屋外は7千円〜1万円になります。屋外飼育の方が安くなるのは、紫外線ライトやヒーターが含まれていないからです。植物を植えるなど、より自然に近いような環境の場合は費用がかかります。
生き物の飼育は「飼育環境を良くしたい」「見た目を良くしたい」と思うと何万円、何十万円とお金がかかります。まずは最低限の飼育環境から始めるのがいいでしょう。
年間でかかる費用は餌代と電気料金程度です。電気代は室内飼育だと冬場で月1,000〜2,000円、暖かい時期では月300〜500円程度です。電気を使う設備のワット数により変動はあります。
種類による亀の飼いやすさ
亀によっても飼育しやすさが変わります。気をつけなければいけない亀もいますので、注意してください。
病気にかかりにくい種類・水質に敏感な種類・成長すると30cmを超える種類など、亀の種類によって飼いやすさが異なります。亀の中でも飼育しやすい種類について解説していきます。
- クサガメ
- ミシシッピニオイガメ
- ニホンイシガメ
- キボシイシガメ
- アカミミガメ
クサガメ
身体が丈夫なので病気にかかりにくいため、飼いやすい亀です。性格は穏やかで人馴れもします。
成長すると体長が25㎝程度になる個体もいるので、飼育容器の大きさに注意してください。
ミシシッピニオイガメ
身体が強く病気にかかりにくいため、クサガメ同様で飼いやすいです。水中生活を好むため、泳いでいる亀を見たい人には特におすすめします。
成長しても体長は10㎝程度なので、飼育容器を大きくする必要はないので、将来的な心配はいりません。
ニホンイシガメ
水質の悪化には敏感なところはありますが、水換えを行えば問題なく飼育できます。性格は温厚で人馴れもするので、亀に触れたいと思っている人にはピッタリの亀です。
成長すると20㎝程度まで大きくなる個体もいるので、大きくなった場合は、容器も大きくしてあげてください。
アカミミガメ
身体が丈夫で病気になりにくく、飼いやすい亀です。成長すると30㎝程度まで大きくなるので、大きな容器が必要になります。
アカミミガメを飼育するにあたり、1つ注意しなければいけません。今後、法律によって規制される可能性があります。
内容は「新たな飼育は禁止される」「運搬が禁止される」「野外に逃がすと違法になり罰せられる」です。
もっと詳しく知りたい方は、環境省ホームページ「日本の外来種対策」をご覧ください。
亀を飼い始めてから気をつけるべき3つポイント
亀の飼育で大変なことは「こまめな水換え」「脱走防止対策」「冬場の対応」です。
亀は水をよく汚し、脱走も上手です。冬場の対応は間違えると死なせてしまう可能性もあるので、しっかり読んでください。それぞれについて解説をしていきます。
こまめな水換え
亀は水を汚しますので、できれば毎日の水換えが理想です。難しい場合は3日に1回は水換えをしましょう。水換えをサボると臭くなります。
屋外飼育であればまだいいですが、室内飼育の場合は部屋中が臭くなるでしょう。
脱走防止対策
屋外飼育では脱走防止対策が必要でしょう。水槽飼育であれば蓋を設置していたり、そもそもが水槽の高さがあったりするので、問題はありません。
屋外飼育の場合、トロ舟(プラスチック製の大きな容器)での飼育は容器の高さが十分でないので、亀が脱走できてしまいます。
衣装ケースなどで、高さが十分であっても、雨で水位が上がると脱走できる場合があるでしょう。網を張ったり、水位が上がらないような排水対策をしたりする必要があります。
冬場の対応
冬の温度変化に対応できなければ亀は死んでしまいます。屋内飼育であればヒーターやエヤコンでの温度管理・水温管理が必須です。
屋外であれば冬眠の準備をする必要があります。詳しくはあとの項目にある「屋外での亀の飼い方で必須!冬眠方法を解説」で解説しています。
アパートやマンションでの亀の飼い方
アパートやマンションで亀を飼うには水槽が適しています。ベランダで屋外飼育も可能ではありますが、スペースの問題や脱走してしまった場合を考えると、止めたほうがいいでしょう。
亀は日光浴が必要なため、日が当たる場所に水槽を置けばいいと思うでしょう。しかし、水槽の劣化を早めたり、苔ができやすかったりするのでおすすめはしません。照明器具を使用するのをおすすめします!
冬場は室温管理や水温管理が必要です。水の温度が下がらないようにするヒーターが必要になります。
屋外での亀の飼い方
屋外での亀の飼い方としては、衣装ケースを使ったり、トロ舟を使用する場合が多くあります。
屋外であれば、日光浴ができるので、照明器具等は必要ありません。屋外では直射日光により、苔ができやすく、すぐに水が緑色になります。そのため鑑賞性は低いです。
しかし、毎日の水換えにより、苔の予防や水質の維持ができ、鑑賞性も低下しません。工夫次第では屋外の方が水換えも楽にできます。
冬は冬眠のための準備が必要です。春〜秋と同じ飼育環境では、亀が死んでしまう場合があります。冬眠をさせないのであれば、冬のみ室内飼育に変える必要があるでしょう。
屋外での亀の飼い方で必須!冬眠方法を解説!
屋外で亀を飼育している場合、冬眠が必要です。ただし、子亀の場合は、死んでしまう可能性がありますので、室内飼育に切り替えたほうがいいでしょう。
ある程度大きくなった亀は、水中または土の中で冬眠をすることができます。初心者は水中で冬眠させるほうがいいでしょう。
容器に水を多めにいれて、水面が凍っても亀が凍らない水深にする必要があります。水中には落ち葉を入れて、身体が覆えるようにしましょう。
冬眠中は皮膚呼吸ですが、冬眠が終わると水面に顔を出して鼻呼吸をします。春先には水面に顔を出せるようにレンガなどで足場を作ってあげましょう。
亀の飼い方で最低限必要なもの
屋内飼育と屋外飼育で必要なものが異なるので、それぞれで紹介をしていきます。
飼育環境がことなれば必要な設備も変わってきます。これから飼育する予定の場所の環境を考えて、必要なものを揃えてください。
例えば、室内でも24時間エアコンで室温管理をしていればヒーターは必須ではありません。ただし、エアコンが故障した場合は、すぐにヒーターは設置してください。
- 水槽
- 陸場
- 隠れ家
- ヒーター
- 照明
- 紫外線ライト
- 餌
- 衣装ケースまたはトロ舟などの飼育容器
- 陸場
- 隠れ家
- 餌
屋内飼育で最低限必要なもの
屋内飼育は屋外飼育に比べて、必要な物が多くなります。抜けがないようにしっかりチェックしておきましょう。
商品によっては多くの種類が出ていますので、大きさ・ワット数などに注意して購入してください。
水槽
水槽は亀の大きさにもよりますが、60㎝〜90㎝水槽が必要になってくる場合が多いでしょう。
アクリル水槽は傷がつきやすいので、ガラス水槽をおすすめします。
30cm以上に成長する種類を飼育する場合は、90cm水槽を準備するといいでしょう。
陸場
甲羅を乾かしたり、日光浴をしたりするのに必要です。甲羅が水からでる高さのものを選んでください。
亀は日光浴により皮膚病の予防・寄生虫の除去・体温調節などを行います。陸場は必ず設置してあげましょう。
隠れ家(シェルター)
亀も常に見られていたりするとストレスを感じます。人間と一緒でストレスは身体によくありません。神経質な個体では餌食いが悪くなる場合もあります。
亀が落ち着ける場所を作って、ストレスを軽減させてあげましょう。亀の大きさに合わせたサイズの隠れ家を準備してください。
ヒーター
冬場は室内でも水温が10℃以下になる場合もあります。亀にとっての最適な温度は25℃前後です。
冬眠をさせないのであれば、ヒーターは必須になります。ヒーターがなければ室内でも冬を越すのは難しいでしょう。
ヒーターはカバー付きのものが安心です。やけどをしてしまうこともあるので、カバー付きの商品を選んでください。
照明
日光浴で身体を暖めるための照明です。ホットスポットという温かい場所を作ってあげましょう。
屋外であれば太陽光で暖まることができますが、室内では暖まることができません。亀は変温動物なので、日光浴で体温を上げなければ、活動性が下がってしまいます。
紫外線ライト
亀が体内でカルシウムを作るのに紫外線が必要になります。亀の健康維持のためにも用意してあげましょう。
60cm水槽であれば20ワット・90cm水槽であれば30ワットまたは32ワットが最適です。飼育する水槽の大きさに合わせて選びましょう。
餌
配合飼料だけで十分です。食べが悪い場合は、他の配合飼料や生き餌を試してみてください。
亀用の配合飼料の中でもっとも信頼性があり、高評価なのが「レプトミン」という商品です。迷ったらこれを買っておけば間違いはないでしょう。
屋外飼育で最低限必要なもの
屋外飼育では、紫外線ライト・照明・ヒーターなどいりません。なので、屋内飼育よりは初期費用は少なく済みます。
ただ、飼育環境によっては、脱走防止用のネットなどが必要になる場合もあるでしょう。
衣装ケースまたはトロ舟などの飼育容器
衣装ケースは紫外線による劣化で、破損しやすくなりますので、注意が必要です。トロ舟もプラスチック製ではありますが、厚いので衣装ケースより長持ちします。
どんな環境にしたいのか、飼育スペースによって飼育容器は考えるといいでしょう。
広いスペースがある場合は、水量が多いトロ舟をおすすめします。衣装ケースより耐久性も高いです。
陸場
亀の健康維持のために、日光浴は必要です。陸場を設置すると容器から脱走できてしまう場合があるので、注意してください。
陸場の位置や逃走防止用のネットをつけるなどの対策をしてください。
隠れ家
屋外飼育であれば石や流木などで作ってみてもいいでしょう。オリジナルな飼育環境を作るのも屋外飼育の醍醐味です。
流木は値段が高いものもあるので、見た目と用途に合わせて選ぶといいでしょう。
餌
屋外飼育でも餌は必要です。配合飼料があれば問題ありません。食べが悪い場合は、他の種類の餌を試してみてください。
ペットショップなどでは餌用としてメダカや金魚が売られています。飼い始めなどで、どうしても配合飼料を食べない場合は、与えてみてもいいでしょう。
亀の飼い方でこの3つは知っておいてください!:まとめ
亀を飼育する前に「水槽のサイズ」「におい」「長生き」について理解しておいてください。理解していないと大変なことになります。
基本的な亀の飼育方法としては、「水場と陸場を作ること」です。陸場は日光浴で必要になります。水温と気温にも注意が必要です。室温は28〜32℃、水温は25℃が亀にとって快適な環境になります。
水槽で飼う方法と衣装ケースやトロ舟で飼う方法があります。屋内・屋外飼育なのかで、飼育容器や設備は考える必要があるでしょう。
亀について・亀の飼育方法・必要な設備が理解できたら、早速準備に取り掛かりましょう!この記事が、亀飼育のきっかけになれば幸いです。