最近、人気急上昇中のエキゾチックアニマル、ピグミーマーモセット。「飼い方は難しい?」「なつくのかな?」と気になっても、実際に飼育している人が少ないので、情報も少ないですよね。
結果からお伝えすると、愛玩動物ではないので、犬猫よりも飼育難易度は高いです。しかし、とても賢いので、慣れてくれれば大切な家族の一員となってくれるでしょう。
この記事では、エキゾチックアニマルを飼育する筆者が、ピグミーマーモセットの生態から飼育方法まで、体系的に解説します。
この記事を読むことで、ピグミーマーモセットの飼い方や飼う前の心得を習得できるので、「飼育する上で必要な情報をしっかり知りたい!」という方は、ぜひ最後までお付き合いください。
画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3093918#goog_rewarded
ペットとして飼える?ピグミーマーモセットの生態

既に、ペットとして人気のリスザルよりも小型で、手のひらに収まってしまうサイズのピグミーマーモセット。
とっても可愛らしく、飼いたいという方が増えていますが、一体どのような生態なのでしょうか?
ここでは、ピグミーマーモセットの生態について、まとめてご紹介します。
特性 | 樹木の上で、生活をしている。夫婦と巣立つ前の子ども達、という家族単位で群れを作る。 |
分布 | ブラジルなどの南米森林地帯に生息。 |
食性 | 主食は樹液。 雑食で、果実や昆虫を食べることも。 |
活動時間 | 昼行性なので、主に日中に活動している。 |
大きさ |
|
寿命 | ストレスや飼育環境、エサに左右されるが、10年前後と言われている。
小さい身体のせいか、サルとしては短命な方である。 |
からだの特徴 | 耳は長い毛、顔の中心と手足の裏以外は、短い毛で覆われている。
背中が黄褐色の毛に覆われ、お尻の周辺にまだら模様がある。 |
親と独立前の兄弟で子育てを行うなど、仲間意識が強く、人間に近いような面があります。
また、対象物が安全か、食べ物なのか、などを噛みついて確かめる習性やマーキングをする習性を持ちます。
ピグミーマーモセットが分類される新世界ザルとは
サルには、新世界ザルと旧世界ザルという、2つの種類があります。
新世界ザルは広鼻猿類とも言われ、左右の鼻の穴の間隔が広く、嗅覚が優れているという特徴を持ちます。
また、旧世界ザルは狭鼻猿類とも言われ、左右の鼻の穴の間隔が狭いことが特徴です。
新世界ザルと旧世界ザルでは、必要な栄養素が異なるため、エサの種類も異なることを覚えておきましょう。
ピグミーマーモセットの性格はなつきやすい?しつけはできる?

ピグミーマーモセットは、比較的温厚な性格ですが、飼育用に繁殖された動物ではないので、トイレなどのしつけはできないと思っておきましょう。
また、警戒心が強いため、すぐにはなつきません。ただし、とても賢いので、名前や飼い主を覚えますし、仲間と認識してくれればハンドリングも楽しめるでしょう。
どの動物にも言えることですが、手に負えず飼えなくなる方もいらっしゃるので、関わり方には注意が必要です。
そのピグミーマーモセット、実は密輸された個体かもしれない

近年、ピグミーマーモセットなど小型ザルの人気が上昇し、密輸が相次いでいます。
ワシントン条約や法律で定められている動物は、希少性が高く、高額で取引されます。よって、密輸や密猟の対象になりやすいのです。
しかし、日本の法律では、ペットショップやアニマルカフェに対し、入手方法の合法性の証明を求めていません。
結果的に、消費者には見分けがつかず、密輸された動物を知らずに購入してしまうおそれがあります。安すぎるなど、怪しいショップで購入することは、できるだけ控えましょう。
ピグミーマーモセットの飼い方①購入できる場所・相場
ピグミーマーモセットの購入相場は、なんと50〜100万円。高額な理由は、市場への流通数が少ないため、希少価値が高いことです。
ピグミーマーモセットは、大きく分けて以下の場所で購入できます。
- エキゾチックアニマル専門店
- 大型ペットショップ
- 繁殖ブリーダー
繁殖ブリーダーが、個人に販売していることは稀です。よって、エキゾチックアニマル専門店、もしくは大型ペットショップで購入する人が多いでしょう。
ちなみに、取り寄せられる可能性の高さから、エキゾチックアニマル専門店で探すことをオススメします。
ピグミーマーモセットの野生個体は警戒心が高く、病気を持っている可能性があるので避け、できれば繁殖された個体を選ぶといいですよ。
ピグミーマーモセットの飼い方②飼育グッズ
ピグミーマーモセットを飼育するためには、以下7点の飼育グッズが必要です。
- 巣箱
- エサ・給水ボトル
- 温度計
- 小型ヒーター
- おもちゃ
飼育ケージが大きいので、ヒーターでの温度管理が難しい場合は、クーラーや暖房で部屋ごと温度調節してあげるのも良いでしょう。
お気に入りの小さなタオルやブランケットがあると、生地に匂いが付き、病院へ行くなどの際に役立つ安心グッズになるのでオススメですよ!
ケージ
飼育ケージは、樹上で生活する習性と似た状況を作るためにも、縦1メートル以上あるものを選びましょう。
床が引き出せるタイプですと、フンやこぼしたエサの掃除が楽にできますよ。手先が器用ですので、カラビナフックなどを利用して、施錠しておくと良いでしょう。
適度な日光浴が必要なので、風通し・日当たりが良い場所にケージを置いてあげてください。
止まり木
止まり木も、樹上で生活している環境を再現するために必要です。大きいものと小さいものを、2本程度用意すると良いでしょう。
野生のピグミーマーモセットは、昼行性なので、夜は木の洞などで休みます。
飼育環境下でも野生と似た状況を作るため、木でできた巣箱や、ハンモックを用意してあげましょう。
警戒心が強いので、人に慣れるまでは隠れたまま出てこない日が続くかもしれませんが、安心できる場所を作ってあげましょう。
エサ・給水ボトル
エサ入れをかじったり、ひっかいたりすることでボロボロになりやすいので、ステンレス製の傷がつきにくいものがおすすめです。
皿に水を入れっぱなしにしておくと、糞尿が入るなどして不衛生なので、水入れ皿ではなく小型動物用の給水ボトルを使用しましょう。
温度計
南米森林に生息するピグミーマーモセットの適温は、30度前後と言われています。
大きな気温の変化は、体調不良の原因になります。温度管理ができるよう、必ず温度計を設置しましょう。
ヒーター
ケージが大きいので、ヒーターだけで温度管理することは難しいですが、暖かい場所(ホットスポット)を作るため、小型ヒーターがあると良いでしょう。
側面や天井に設置するタイプや、床に置くシートタイプなど種類が方法なので、ケージに合わせて選ぶと良いですよ。
おもちゃ
ピグミーマーモセットは、おもちゃで一人遊びすることが得意です。
ケージ内に、2~3個のおもちゃを入れてあげましょう。あまり入れすぎると、ひっかかるなどして危ないので、気を付けて下さいね。
ピグミーマーモセットの飼い方③3つの飼育ポイント

ピグミーマーモセットを飼育する際のポイントを、大きく以下の3つに分けて解説します。
- エサやり方法
- 掃除
- 体重測定
知らないで飼育してしまうと、不調や病気に気づけないなんてことがあります。
清潔な環境を保ちつつ、栄養の偏りがないようにエサを与え、観察することが重要です。
エサやり方法
ピグミーマーモセットのエサやりは、ベビー時期と成体時期によって異なるので、順に解説します。
離乳食開始後は、食べ散らかして無駄が多いため、エサは1日2回に分けてあげてください。
ベビー時期
ベビーとは、産まれた直後から生後1年間の時期を指します。特に気を遣う時期ですが、人に慣れさせやすい時期でもあります。
時期 | 与える物・方法 |
生後4か月まで | モンキーミルクを、3~5時間に1回与える。 |
生後4か月~5か月 | モンキーミルクに加え、ペースト状にすり潰した野菜や果物(離乳食)を1日2回に分けて与える。 |
生後6か月~1年 | 徐々に固形の野菜や果物、モンキーミルクでふやかしたモンキーフードを1日2回に分けて与える。 |
消化不良を起こす際は、食べ物をさらに細かくするか、ペースト状に戻します。
それでも改善しない場合は、モンキーミルクを与えて様子を見ましょう。
成体時期
モンキーフードを中心に、1日の規定量を朝晩2回に分けて与えます。
成体になっても、消化不良などの不調時は、モンキーミルクを与えて様子を見てください。
掃除
ピグミーマーモセットはトイレを覚えないので、糞尿や散らかったエサなどを毎日掃除する必要があります。
また、マーキングによる刺激臭が家中に充満するので、消臭剤や空気清浄機の設置をおすすめします。
ただし、嗅覚が鋭いので、芳香剤のように揮発性の香料を含む消臭剤は避けましょう。
体重測定
ピグミーマーモセットの体調チェックは、主に体重測定や触診で行います。体重計は、料理用スケールなどで代用できます。
消化不良などは、フンを見ることで判断できますが、小さな体調変化やエサの過不足など、体重を測らないと分からないことも多いです。
ベビーであれば毎日、成体であれば1週間に一回程度、体重測定をしましょう。
ピグミーマーモセットの飼い方④与えるエサ

ピグミーマーモセットのエサには、以下のような主食とおやつがあり、順に解説します。
主食 | おやつ |
モンキーフード | 昆虫 |
野菜・果物 | サル用ビスケット |
パン粥 | アラビアガム |
この他にもさまざまな食べ物を食べますが、場合によっては、肥満や病気の原因になることもあるので、注意しましょう。
主食
主食とは、以下のような毎日与えるエサを指します。無糖ヨーグルトや固ゆで卵、ツナなども適宜与えると、たんぱく質を補えるので、主食と共に与えましょう。
- モンキーフード
- 野菜・果物
- パン粥
モンキーフード
ピグミーマーモセットには、新世界ザル用、もしくはマーモセット用と記載のあるエサを選びましょう。
初めてモンキーフードを与える離乳期には、モンキーミルクでふやかしたり、すり潰して他の食べ物と混ぜたり、工夫をする必要があります。
徐々にモンキーフードに慣れ、成体になるまでには、主食を完全に切り替えましょう。
果物や野菜
野生環境下の主食は樹液なので、大きすぎる、硬すぎる野菜や果物は小さくカットしましょう。
- 小松菜
- かぼちゃ
- ニンジン
- サツマイモ
- リンゴ
- バナナ
- ミカン
- イチゴ
パン粥
食パンにモンキーミルク、もしくは人用粉ミルクを浸したパン粥も好んで食べます。
しかし、パン粥だけでは栄養が足りないので、他の野菜や果物、栄養添加剤と共に与えましょう。
おやつ
おやつは主食と異なり、週1.2回だけなど毎日与えない食べ物を指します。
喜んで食べている姿を見るとつい毎日あげたくなりますが、肥満の原因になるので、ぐっと我慢することも大切です。
- 昆虫(ミルワーム、コオロギなど)
- サル用のビスケット
- アラビアガム
昆虫は、たんぱく源にもなりますが、こちらもあげすぎには要注意です。
アラビアガムとは、樹液が固まってできた塊です。アカシアの木の樹皮を傷つけると分泌されます。
野生環境下では樹液が主食なので「アラビアガムを主食として与えてもよいのでは?」という意見もありますが、運動量や環境が異なるので、飼育下ではおやつとして与えるのがいいでしょう。
ピグミーマーモセットの飼い方⑤関わり方
最初にお伝えしたように、ピグミーマーモセットは警戒心が強いので、ベビー期から少しづつ人に慣れてもらう必要があります。
愛玩動物ではないので、成体から人慣れさせることは、かなり困難だと言われています。
- 上から掴まない
- 大きな声を出さない
- 香水など匂いの強いものをつけない
上記の接する際のポイントをおさえながら、1か月〜3カ月程度かけて、ゆっくり慣れてもらうのが良いでしょう。
- お迎えから2. 3日は無理に接触せず、静かにエサと水を与えて様子を見る。
- 環境に落ち着き、ケージ内を動き回るような行動をしているかを確認する。
- エサをあげる際に、穏やかな声で名前を呼びながら近づく。
- ケージに近づいても逃げない、もしくは近づいてくることを確認する。
- 手からエサをあげてみる。
- エサが無くても寄ってくるようになったら、手を動かしたり少し触ってみたりする(嫌がらなければOK)
手順5で近づいてきたからといって「すぐに触ろうとせず、そのまま動かずに待っている」ことがポイントです。
3カ月経っても慣れないなど個体差があるので、最初は特に根気が必要です。
ピグミーマーモセットの飼い方⑥飼育上の注意点

ここでは、ピグミーマーモセットを飼育する際の注意点を5つ解説します。
- 日光不足は病気になる
- 病気が人に感染することがある
- 独特の臭いが家につく
- 脱走に要注意
- 病気になった際に駆け込める動物病院が必要
日光不足はくる病の原因になる
ピグミーマーモセットは、昼行性のため、日中に紫外線を浴びる必要があります。風通し・日当たりの良い場所に、ケージを置きましょう。
特に子供の頃は、ビタミンD不足によりカルシウムがうまく生成できず、くる病になりやすいので注意が必要です。
病気が人に感染することがある
ピグミーマーモセットを含め、サルの病気は人に感染することがあります。本来触れ合うはずのない人間が感染することで、重症化することも。
ハンドリングや掃除など、接触した後は、必ず手を洗うように気をつけましょう。
独特の臭いが家につく
先述しましたが、ピグミーマーモセットにはマーキングの習性があるので、掃除では取りきれない臭いが残ります。
糞尿などの臭いは、掃除である程度抑えることができますが、独特の獣臭が部屋につきます。賃貸や家族がいる方は、必ず相談してから飼いましょう。
脱走に要注意
ピグミーマーモセットは身体が小さく、動きも機敏なので、脱走したら見つけるのは困難です。
脱走により、他の生態系に影響を与える、噛みつくなどして人や他の動物に危害を加えるなどのリスクも考えられます。
ドアの隙間からするっと逃げることもあるので、屋内でも放し飼いではなく、必ずケージを利用しましょう。
施錠の管理はしっかり行い、散歩など外出時には、リードやハーネスなどのアイテムが必須です。
病気になった際に駆け込める動物病院が必要
全く病気にならずに寿命を全うできる動物は、残念ながらほぼいないですよね。
しかし、ピグミーマーモセットのような、エキゾチックアニマルに対応している動物病院は多くありません。
エキゾチックアニマル自体の飼育数が少ないため、専門としている獣医も少ないのです。
迎え入れる前に、何かあった際にすぐに対応できる環境を作るため、診てくれる動物病院が近所にあるかどうかの確認をしましょう。
ピクシーマーモセットに会える施設は草津熱帯圏だけ!
ここまで、ピグミーマーモセットの飼い方を解説してきましたが「やっぱり飼うことは難しい」「近くにピグミーマーモセットを取り扱うショップがない」なんて方もいるでしょう。
しかし飼えずとも、実際に愛らしいピクシーマーモセットを見てみたいですよね!
実は、草津熱帯圏でピクシーマーモセットに会うことができます。(2022年10月現在)
現在国内の動物施設にいるピクシーマーモセットは、草津熱帯圏で飼育されていたメスと、新たに入ったオスの二頭のみとのことです。
国内の個体数が少なく、繁殖が困難になったことから、飼育数が激減してしまったようです。
他にもさまざまな珍しい熱帯動物がいるので、ぜひ見に行ってみてくださいね!
住所 | 群馬県草津町草津286 |
アクセス | 【電車】JR吾妻線「長野原草津口」駅よりバスで20分;【車】上信越自動車道「上田」ICより嬬恋村経由で60分 |
電話番号 | 0279-88-3271 |
営業時間 | AM8:30~PM5:00 |
定休日 | 年中無休 |
料金 |
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駐車場 | 無料(100台) |
ピクシーマーモセットの飼い方とポイントまとめ
ピクシーマーモセットは南米森林地帯に生息する、超小型サルです。主に樹上で生活し、樹液を主食としています。
性格は穏やかですが、愛玩動物ではないため、人慣れに時間がかかります。大きな声を出したり、上から急に掴んだりせず、根気よく接しましょう。
できるだけ野生に近い飼育環境を作るため、高さ1m以上あるケージや止まり木、巣箱などを用意し風通し・日当たりがいい場所にケージを置いてあげてください。
エキゾチックアニマルの中でも希少価値が高く、手に入れること自体が難しいピクシーマーモセットですが、まずは取り扱っているショップを探してみましょう。