「コーヒーをこぼしてしまった…こんな茶色の濃いシミ取れないかも…」
と、諦めかけていませんか。そのシミ、自宅で簡単に落とせる可能性があります。
シミは、その成分によって落ちやすいものと落ちにくいものがあるのですが、実はコーヒーのシミは比較的落としやすい成分のシミなのです。
コーヒーのシミは、こぼしてからすぐに対処すれば、自宅でも十分に落とすことができます。
今回は、コーヒーのシミが衣類や布製品に付いてしまったときの対処法を注意点とともに詳しく解説します。
コーヒーの色素が繊維の奥に染み込んでしまう前に、正しい対処法をしっかり確認してシミを落としてしまいましょう。
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外出先でコーヒーをこぼしてしまったときの応急処置
はじめに、カフェや職場等、外出先でコーヒーをこぼしてシミになってしまった場合の応急処置の方法を紹介します。
中性洗剤や洗濯機ですぐに対処できない場面での応急処置を確認しておきましょう。
外出先でコーヒーをこぼしてしまった場合の応急処置
- 乾いた布で水分をしっかり拭きとる
- シミの部分に乾いた布(ティッシュでも)を当てる
- シミ部分の裏面から、濡らした布でたたく
ポイント:乾いた布の方へコーヒーの汚れを移すイメージで、根気よくたたきましょう。
上記の方法でできる限り汚れを落としたあとは、なるべく早く中性洗剤やスポット洗剤を使ってシミを落とすようにしましょう。
具体的なシミの落とし方は、次の章以降で解説します。
コーヒーのシミは落としやすい?成分や特徴を解説
衣類にシミをつけてしまう成分には大きく分けて「水溶性」と「油溶性」と「不溶性」があります。
それぞれ特徴や落とし方に違いがあるのですが、コーヒーはミルクが入っているかどうかでシミの性質が変わるので注意が必要です。
以下でくわしく説明していきます。
ブラックコーヒーは「水溶性」
ミルクの入っていないコーヒー、つまりブラックコーヒーや砂糖入りのコーヒーのシミは「水溶性」のシミです。
コーヒーのほかにジュースや醤油が水溶性のシミに該当します。
水に溶けやすいことが特徴で、油溶性や不溶性のシミと比べ落ちやすいシミです。
水溶性のシミは、付いてすぐの場合は水だけで落ちることも多く、台所用洗剤のような中性洗剤を使えばほとんど落とすことができます。
ただし、時間が経つと繊維の奥に染み込んでしまい、さらに酸化して落ちにくいシミとなってしまうので注意が必要です。
特にコーヒーのような濃い色素のシミは、残ってしまったとき目立ってしまうので早めに対処しましょう。
ミルク入りコーヒーは「油溶性」と「水溶性」の混合性
カプチーノやカフェオレのようなミルク入りのコーヒーのシミは、一部「油溶性」のシミとなります。
油溶性のシミには、ほかにチョコレートや口紅、ファンデーションなどが該当します。
油に溶けやすく、水に溶けにくいのが特徴で、水分をあまり含みません。
純粋な油溶性のシミであれば、クレンジングオイルや食器用洗剤で油分を溶かして落とします。
しかしミルク入りコーヒーは、ミルクの油溶性とコーヒーの水溶性を併せもった混合性のシミになりますので、酸素系漂白剤を使った落とし方が有効です。
酸素系漂白剤を使ったシミの落とし方は、「コーヒーをこぼして時間が経ってしまったシミの落とし方」の章で解説しています。
シミを落とす前に必ず洗濯表示の確認を!
コーヒーのシミを落とす前には必ず洗濯表示の確認をしましょう。
「水洗いが可能か」「漂白剤を使用してもいいか」を確認せずにシミ抜き作業をしてしまうと、生地を傷めたり、色落ちしてしまう可能性があります。
水洗いできない生地は自宅で洗うことができないため、クリーニングに出すようにしましょう。
【水洗い不可】 ⇒ クリーニングへ
【自宅洗濯不可】 ⇒ クリーニングへ
【漂白剤一部使用可】 ⇒ 酵素系漂白剤を使用して自宅でシミ抜き可
シミを落とす前に色落ちチェックをしよう
コーヒーのシミを落とす前に、必ず色落ちチェックをしましょう。
洗濯表示で「水洗い可」となっていても、衣類によっては色落ちしやすいものがあります。
シミを落とす際に衣類の色柄まで落としてしまわないよう、事前にチェックが必要です。
色落ちチェックの方法
- 汚れてもいい白い布(タオルでも)を用意する
- 白い布に水と中性洗剤をつける
- 衣類の目立たない部分に白い布を押しつける
- 白い布に衣類の色が移っていないかチェック
上記のチェック方法で色が白い布に移っていた場合は、自宅でシミを落とすことはやめ、クリーニング店に相談しましょう。
コーヒーのシミを手洗いで落とす方法
洗濯表示の確認、色落ちチェックを終えたら、いよいよコーヒーのシミを落としていきます。
いきなり洗濯機で洗うのも良いのですが、手洗いならシミの落ち具合を確認しながら落とすことができるので、確実にシミを落とし切りたい場合は手洗いをおすすめします。
水のみで落とす方法
まずは水だけで落ちるか試してみましょう。
コーヒーをこぼしてすぐのシミは、水で濡らし固く絞った布でたたくように取れば簡単に落ちます。
落ちなかった場合は、中性洗剤を使ってさらに落とします。
中性洗剤を使って落とす方法
水だけではシミが落ちなかった場合は、中性洗剤を使ってシミを落とします。
準備するもの
- 汚れてもいい布(タオルでも)
- 小皿
- 歯ブラシ
- 中性洗剤
- 水
シミの落とし方
- シミの付いた衣類を裏返し、シミの面を汚れてもいい布に押し当てる
- 小皿に中性洗剤を入れ、水で3~5倍に薄める
- 歯ブラシに洗剤を薄めた水をつけ、衣類の裏側からシミをたたくように落とす
ポイント:汚れてもいい布の方へコーヒーの汚れを移すイメージで、根気よくたたきましょう。
中性洗剤を使ってもシミが落ちなかった場合は、漂白剤を使って落とします。
「コーヒーをこぼして時間が経ってしまったシミの落とし方」の章へ進んでください。
コーヒーのシミを洗濯機で落とす方法
「手洗いが面倒くさい」「こぼしてから時間が経っていないし、シミも濃くない」という場合は、手洗いを省略して洗濯機で洗ってみましょう。
シミの落ち具合を確認しながら手洗いするのがおすすめですが、コーヒーのシミは水溶性ですので軽い汚れであれば洗濯機のみでも十分に落とすことができます。
シミが付いてしまったらできるだけ早く洗濯機で洗うようにしましょう。
しかし、シミが広範囲であったり、時間が経って繊維の奥に染み込んでしまっている場合は、やはりシミが残ってしまう可能性もあります。
その場合は、洗濯機に入れる前にスポット洗剤をシミになじませてから洗濯することで、汚れ落ちが良くなります。
スポット洗剤は、衣類の汚れに直接塗布したり泡を吹き付けたりすることで、洗濯だけでは落ちにくい汚れに作用する洗剤です。
スーパーやドラッグストアの洗濯洗剤コーナーで手に入ります。
コーヒーだけでなく皮脂汚れや血液など、さまざまな汚れを落としやすくしてくれるので、持っていると便利でしょう。
コーヒーをこぼして時間が経ってしまったシミの落とし方
こぼしてから時間が経ってしまったコーヒーは、色素が繊維の奥に染み込んで落ちにくくなります。
下記のシミには、漂白剤を使って落とす方法が有効です。
- 手洗いやスポット洗剤を使って洗濯しても落ちなかったシミ
- ミルク入りコーヒーの油溶性のシミ
コーヒーのシミが落ちにくくなってしまっても、諦めず漂白剤を使って落としていきましょう。
準備するもの
- 衣類用の酸素系漂白剤
- 汚れてもいい布(タオルでも)
- ドライヤー
色落ちチェック
漂白剤を使うときも、色落ちチェックを行いましょう。
- 汚れてもいい白い布に酵素系漂白剤をつける
- 衣類の目立たない部分に白い布を押しつける
- 白い布に衣類の色が移っていないかチェック
漂白剤を使ってシミを落とす方法
- 酸素系漂白剤を直接シミにかける
- 汚れてもいい布でたたいて落とす
- 落ちにくければ、シミ部分をドライヤーで温める
- 軽く水洗いし、洗濯機で洗う
ポイント:ドライヤーを使う場合は生地を傷めないよう、10秒程度を目安に温めましょう。
綿素材の白い衣類の場合は、より漂白効果の高い塩素系漂白剤を使用することができます。
塩素系漂白剤を使用する場合も、まずは衣類の目立たない部分で色落ちチェックを行いましょう。
漂白剤を使用しても落ちなかったコーヒーのシミは、自宅で落とすことは難しいと考えられます。
無理に落とそうとして強く擦ったり、何度も漂白剤を使用して衣類を傷めてしまう可能性がありますので、クリーニング店でシミ抜きを依頼しましょう。
洗濯できないものにコーヒーをこぼしてしまったら
カーペットやソファ、革製品など、簡単に洗濯できないものにコーヒーをこぼしてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。対処法を紹介します。
カーペット・ソファにコーヒーをこぼしてしまったら
カーペットやソファに付いたシミを落とす場合も衣類のときと同様、作業前に必ず色落ちチェックを行いましょう。
色落ちチェックの方法
- 汚れてもいい白い布(タオルでも)を用意する
- 白い布に水をつける
- カーペットやソファの目立たない部分に白い布を押しつける
- 白い布にカーペットやソファの色が移っていないかチェック
色落ちしないことを確認したら、シミを落としていきましょう。
カーペットやソファに付いたコーヒーのシミの落とし方
- 乾いた布(キッチンペーパーでも)でコーヒーの水分を吸い取る
- 水かぬるま湯をシミにかけ、乾いた布で水分を吸い取る
- 1と2をくり返す
ポイント1:ゴシゴシと強く擦ることは生地を傷めるだけでなく、汚れが奥に入り込んでしまうのでやめましょう。
ポイント2:汚れを吸い取る際は汚れが広がらないよう、シミの外側から内側に向かって布を押し当てるようにしましょう。
革製品にコーヒーをこぼしてしまったら
革製品にコーヒーをこぼしてしまった場合、合皮か本革かで対応が変わります。
合皮の場合は、すぐに乾いた布でコーヒーを拭き取ります。シミが残ってしまうときは、水で濡らしたタオルでたたくように拭き取りましょう。
本革の場合も、コーヒーをこぼしてしまったらまずはすぐに拭き取ります。本革は水に弱いため、水を使って拭き取ることはやめましょう。
本革専用のクリーナーを使用するか、専門業者へ相談するのがおすすめです。
コーヒーのシミが落ちない場合は?
ここまで紹介した方法を試してもコーヒーのシミが落ちない場合は、クリーニングに相談することをおすすめします。
生地に合わない洗剤を使ったり、無理に擦ってしまうと、衣類を傷つけてしまう可能性があります。
大切な衣類であれば、プロに任せることで蘇るかもしれません。
シミ抜き専門のクリーニング店もありますので、検討してみてください。
コーヒーのシミはあわてず対処すれば落とせる
今回は、コーヒーのシミが衣類や布製品に付いてしまったときの対処法を注意点とともに詳しく解説しました。
コーヒーのシミが付いてしまったときの対処法
ミルク入りミルクなしコーヒー共通
- すぐに乾いた布で拭き取る
- 強く擦らない
- 水や洗剤を使う前には必ず色落ちチェックをする
- 本革には水を使わない
ミルクなしコーヒーの場合
- 中性洗剤と歯ブラシを使って落とす
- スポット洗剤を付けて洗濯する
- 落ちない場合は酸素系漂白剤を使う
ミルク入りコーヒーの場合
- 酸素系漂白剤とドライヤーを使って落とす
コーヒーのシミを落とすとき、最も重要なポイントは「すぐに乾いた布で拭き取ること」です。
コーヒーをこぼしてしまっても早めに対処することで、自分でシミをきれいに落とすことができます。
コーヒーの濃いシミが付いてしまっても慌てず、正しく対処してシミを落としてみましょう。
- 名前:佐々木小春