「ヤモリの飼育を考えているけど、種類が多くて選べない」と悩んでいませんか?たくさん種類のいるヤモリの中から1匹を選ぶのは難しいですよね。
この記事では6種類のヤモリと、飼いやすいヤモリや逆に初心者は飼育が難しいヤモリを紹介し、それぞれの特徴をまとめています。
飼いやすいヤモリの4つの特徴も紹介しているので、初めてヤモリを飼ってみたいと思っている方も安心して選ぶことができますよ。ぜひ最後まで見てくださいね。
「アイキャッチ画像出典:https://www.pexels.com/ja-jp/photo/922516/」
ヤモリの特徴
ヤモリはほとんどが夜行性で臆病、日中は隠れていることが多く、蛾や蜘蛛などの小型の昆虫を食べて生活している爬虫類です。
家の害虫を食べてくれることから家を守る身近な守り神としてヤモリという名前が付けられたと言われ、体長は小さい個体だと2cm未満、大きいと40cmになります。
眼球の表面が透明な鱗で覆われ、乾燥から守っており、時々大きな目を舌で舐めて掃除します。また足の裏に趾下薄板という無数の毛が生えており、天井やガラス面をすいすいと移動できるのも特徴です。
そんなヤモリの様子やゆっくりとした動きに癒され、爬虫類の中でも飼いやすいことからペットとして飼育する人も増えています。
ヤモリの種類①ニホンヤモリ
日本で有名かつ身近なニホンヤモリは、よく家のガラス面や壁にくっついている姿を見かけますね。もともとは大陸に生息していたものが日本に移動してきたと言われています。
グレーの体色でコンクリートや岩場に上手に擬態します。夜行性で夜間の蛍光灯に集まる蛾や蜘蛛などの小型の昆虫を狙っている姿を、見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。
飼育する場合は取り扱い店舗が少ないので、先にお店に聞いておくと安心です。また高い湿度を好むため保温器具と調節が必須なこと、主食が生餌のため、虫が苦手だと飼育しにくい点も考慮しておきましょう。
体長 | 10~15cm |
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生息域 | 日本、朝鮮半島、中国 |
寿命 | 10年~15年 |
価格 | 500~3,000円前後 |
主な餌 | 生餌 |
飼いやすさ | 少し難しい |
ヤモリの種類②ヒョウモントカゲモドキ
別名はレオパードゲッコーでレオパという通称で親しまれているヤモリです。頭、胴体、尻尾はそれぞれ太く可愛らしい体つきと、品種改良で多くのモルフと呼ばれるカラーバリエーションがあります。
夜行性または明け方や夕方などの薄明薄暮性でトカゲのような特徴を持つのが魅力の1つです。ヤモリにはない瞼を持ち、趾下薄板が無く壁に張り付くことはできないため地表で過ごします。
多くの個体が生餌を好みますが、慣れれば専用の人工飼料も食べてくれるため、比較的飼育しやすいです。ストレスを与えない程度であれば手に乗せることも可能でとても人気な種類です。
体長 | 18~25cm |
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生息域 | 中央アジア 西アジア |
寿命 | 15年 |
価格 | 5,000円~2万前後 |
主な餌 | 生餌、人工飼料 |
飼いやすさ | 飼いやすく、初心者におすすめ |
ヤモリの種類③オウカンミカドヤモリ
体の表面にある突起物がオウカンに見えることから、その名がついたと言われており、別名はクレステッドゲッコーでクレスという通称で親しまれています。
大きな頭と目、短い手足が特徴の人気なヤモリで、夜行性ですが日光浴をします。木の上で暮らし、基本的にあまり動きません。
飼育する場合は日光浴の為の紫外線ライトや、縦長のケージで木の枝などを使い高低差のある環境を作ってあげましょう。慣れれば専用の人工飼料も食べてくれます。
体長 | 15~20cm |
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生息域 | オーストラリア東部 |
寿命 | 15年 |
価格 | 1万~3万円 |
主な餌 | 生餌、人工飼料 |
飼いやすさ | 飼いやすく、初心者におすすめ |
ヤモリの種類④ヒルヤモリ
ヒルヤモリは夜行性が多いヤモリの中では珍しく、昼に行動します。体は発色の良い緑色で、体色の個体差は少ないです。
またヒルヤモリは何種類かおり、体に2つの黒い斑点があるヨツメヒルヤモリや、濃い赤色のまだら模様が鮮やかなオオヒルヤモリなど、それぞれ魅力を持っています。
飼育するには、紫外線ライトや高低差のあるケージが必要です。昼に行動するため、日中にヒルヤモリを観察できるということが魅力の1つと言えるでしょう。
体長 | 10~13cm |
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生息域 | マダガスカル島 |
寿命 | 5年~10年 |
価格 | 5,000~15,000円 |
主な餌 | 生餌、人工飼料 |
飼いやすさ | 少し難しい |
ヤモリの種類⑤トッケイ
珍しい名前のトッケイは、繁殖時期に鳴く声が「トッケイ」と聞こえることからつけられたそうです。別名はオオヤモリで、名前の通り大きくなると40cm近くまで成長します。
グレーの体色にオレンジの斑点模様が特徴で、性格は荒々しい傾向があります。個体数が多いため安価で流通していますが、大きさや性格から飼育が難しいヤモリです。
飼育の際は大きめで高低差のあるケージの用意や、個体のコンディションの確認、オスは大きな声で鳴くこともあるため近所迷惑にならないか検討が必要です。
体長 | 20cm~35cm |
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生息域 | 東南アジア |
寿命 | 5年 |
価格 | 2,000~5,000円 |
主な餌 | 生餌、人工飼料 |
飼いやすさ | 難易度が高い |
ヤモリの種類⑥ハイナントカゲモドキ
体色は黒色で黄色の模様をまとい、シャープな顔と赤目が特徴のヤモリです。夜行性でとても臆病な性格をしており、隠れ家にこもるとなかなか出てきません。
足の裏に趾下薄板が生えていますが、毛の量が少ないため、ガラス面を這うことはできません。また多湿な環境を好み、常に湿度80%を保った環境にいないと体調を崩してしまいます。
臆病すぎて餌を食べなかったり、観察がしにくいことや、湿度の管理が難しいことから爬虫類の飼育に慣れていないと飼うのが難しいヤモリです。
体長 | 15~18cm |
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生息域 | 中国の海南島(ハイナンシマ) |
寿命 | 10年 |
価格 | 7,000~1万円 |
主な餌 | 生餌、人工飼料 |
飼いやすさ | 難易度が高い |
飼育におすすめのヤモリの種類
ヤモリの飼育に挑戦したいと思ったら、まず理解しておきたいのは、ヤモリは触れ合うより観察をして楽しむという点です。基本的に飼い主に懐くことはなく、その環境に慣れるという感覚に近いです。
環境に慣れることにより、手乗りを楽しむことができたり、ピンセットなどから餌を食べることが可能になってきます。飼育しやすいヤモリの特徴である以下の4つを参考にしてみてください。
ここまで紹介してきたヤモリにもヒョウモントカゲモドキやオウカンミカドヤモリ等、飼育に向いている種類がいます。
その中でも個体によって飼いやすさは様々です。個体のコンディションはペットショップの店員さんに相談しましょう。
- 10~20cmの大きさ
- 温度、湿度管理がしやすい
- 飼育に必要な道具が少ない
- 手乗りができる(環境慣れしやすい)
飼育が難しいヤモリの種類
反対に初心者が飼育するには難しい特徴をもっているヤモリを、今回紹介した種類を例に解説していきます。
例えばニホンヤモリは生餌しか食べない傾向があるので、生きた餌の管理が難しいこと、越冬中は餌を一切食べないことから、事前にしっかり太らせておくなど調節しなければなりません。
またトッケイのオスは特に繁殖期の声が大きく、近所迷惑にならないように配慮したり、ハイナントカゲモドキは多湿な環境を好むため、湿度の管理が難しいです。
このように飼うのが難しい種類もいますが、そんなヤモリも環境を整えることで飼育しやすくなります。飼育にかけられる時間や、生息域に合った環境を作れるかをしっかり検討した上で購入しましょう。
ヤモリの飼育に必要な道具と設備
飼育したいヤモリの生息域にあった環境を作る上でかかせないのが、道具や設備ですよね。さっそくヤモリの飼育に必要な物を紹介しますので、環境作りの参考にしてみてください。
- ケージ
- 保温器具
- 床材
- ライト
- シェルター
- 餌
ケージ
ヤモリを飼育するケージは、基本的にヤモリの体長よりも一回り余裕があるものを選びましょう。ヤモリは活発に動きまわることが少ないため、大きすぎる必要はありません。
木の上で生活する種類は、縦方向に枝を入れて高低差をつけてあげたり、地面で生活する種類は、床面積が少し広いものを選んでレイアウトし、生息域に合った環境に整えましょう。
保温器具
変温動物であるヤモリは温度にとても敏感で体調が左右されるため、保温器具はほとんどのヤモリに必須な道具です。種類にもよりますが低温に弱く、海外のヤモリは25℃~30℃を好みます。
木の上で生活する種類はケージ全体を温める必要があるため、上部から温めることができるヒーターを選び、地面で生活する種類は下部から温めるヒーターを使用しましょう。
温度計を設置し、飼育したいヤモリの生息域にあった温度を保てているか確認できると安心ですね。
床材
床材には、あなたが管理がしやすいものを選ぶと良いでしょう。床材を敷くことで糞をしたり、汚れた時の清掃が楽です。キッチンペーパーやペット用のトイレシートを利用するのも可能です。
腐葉土や砂、湿度が高い環境を好むヤモリなら市販で販売されているヤシガラマットを利用するなど様々な種類があります。
土はクッション性はありますが虫がわきやすかったり、砂は細かすぎるとヤモリの趾下薄板の隙間に入り込み、壁に登れなくなってしまう等それぞれ良い点と悪い点があるので、飼う環境と手間を鑑みて調節しましょう。
ライト
ライトはすべてのヤモリに必要な設備ではありません。ライトには紫外線ライトとバスキングライトの2種類があり、ヒルヤモリなどの昼行性のヤモリに紫外線ライトは必須です。
”バスキング”とは英語で”日光浴”を指し、どちらも体温調節ができないヤモリにとって大切な設備です。
自分が飼育したいヤモリはライトが必要なのか、どの程度のライトの強さが必要かを生息域に合わせて考え、設置しましょう。
シェルター
ヤモリは臆病な性格で、直射日光を嫌う為、隠れ場所や安らぐためのシェルターが必須です。
他にもシェルターには湿度を保つ役割があります。いくつか用意して多湿な空間や乾燥している空間を作り、ヤモリが過ごす場所を選ぶことができる環境を作ってあげると良いでしょう。
餌
ヤモリはどの種類も昆虫が大好きです。コオロギやゴキブリ等の生きた小さな昆虫をピンセットやケージ内に放して与えます。
レオパゲルなどの人工飼料もあるため、利用する際は少しずつ慣らしていくと良いでしょう。
また、生餌が苦手で人工飼料を食べてくれる個体を飼ったとしても、急に人工飼料を食べなくなる可能性もあるため、それに備えて昆虫も飼育する機会があることを把握しておいてください。
ヤモリを飼育するなら生息域の環境を作れるか考えよう
6種類のヤモリと、飼育しやすい4つのヤモリの特徴をまとめ、比較的飼いやすい種類としてヒョウモントカゲモドキとオウカンミカドヤモリを紹介しました。環境が整えば初心者でも飼育の幅は広がります。
また飼いやすさは個体で大きく変わってきます。ぜひ以下の4つの特徴と飼育するヤモリの生息域の環境を作れるかを考えて選び、道具や設備の準備を始めましょう。
あなたの選んだお気に入りのヤモリが過ごしやすい環境を整えて、万全の状態で飼育デビューを果たしてくださいね。
- 10~20cmの大きさ
- 温度、湿度管理がしやすい
- 飼育に必要な道具が少ない
- 手乗りができる(環境慣れしやすい)