「転職しようと思っているけど住民税はどうなるんだろう」と思っていませんか?
転職したなら働く環境だけでなく、住民税の支払う方法も変わる可能性があります。
この記事では転職した際の住民税の支払いについて解説しています。
転職した際、住民税の支払いに困らないように、ぜひこの記事をご覧ください。
アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E7%A8%8E%E9%87%91-%E8%AA%B2%E7%A8%8E-%E7%94%9F%E5%9C%B0%E3%82%92%E5%86%8D%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99-1015399/
今支払っている住民税はどう確認する?
今支払っている住民税を確認する方法は、「住民税決定通知書」を見ることで確認することができます。
この通知書は、会社員であれば通常は5月もしくは6月の給与支払時期に会社から手渡されています。フリーランス・不動産経営をしている人は6月頃に市区町村から届きます。
この書類は住宅ローンの審査で必要になる場合がある非常に大事な書類です。
仮になくしてしまった場合は、住んでいる地域の役所で「課税証明書」は発行できますが、住民税決定通知書は再発行ができない書類なので厳重に保管しましょう。
住民税は合算した額を支払っている
単純に住民税と言っていますが、実は所得割と均等割が合計された額が課税されています。
所得割は前年の所得をもとに決定されます。「都道府県民税」と「市区町村民税」の2つに分かれています。この2つの税率は合わせると10%になります。
地域によって若干税金額が変わることはありますが、数百円~数千円ほどのようです。
ちなみにふるさと納税を行っている場合、ある程度の控除が受けられます。上限額はありますが、住民税を少しでも減らしたい方はぜひ活用してみましょう!
ふるさと納税では支払うお金は減るわけではない
先ほど「減らしたい方」と説明しました。ふるさと納税をなぜ利用した方がいいのでしょうか。
それはふるさと納税でもらえる返礼品があるからです。住民税を今までと同じように支払う場合、税金としてただ支払うだけになります。
ふるさと納税を行った場合税金として支払うだけでなく、お肉やお菓子などの返礼品が返ってきます。そして翌年の住民税から控除を受けることができます。
ただし、上限額があること・申請をしないと控除を受けられないことには注意が必要です。
ふるさと納税について詳しく知りたい方は、こちらの記事で説明しているので参考にしてくださいね。
住民税はどう支払っている?
それでは住民税をどのように支払っているのかについて確認していきます。基本的には以下の2種類の支払い方法をとっています。
- 特別徴収
- 普通徴収
簡単に説明すると、会社員であれば特別徴収で住民税が支払われており、自営業などの会社に属さない人は普通徴収で住民税を支払っています。
これだけではどのようなメリット・デメリットがあるのか分かりませんから、以下でそれぞれ詳しく説明していきます。
特別徴収
本来であれば個人に課される住民税を、会社側に給与から支払ってもらう仕組みのことです。
給与が毎月支払われていないなどの特別な理由がない場合、基本的にはこちらの特別徴収がとられています。
メリットとして挙げられるのは税金を納める面倒がないということです。
デメリットとしては自分で支払わないので税金を支払っているという感覚が薄く、節税に努めようという行動につながりにくいことでしょう。
普通徴収
自営業やフリーランス・不動産経営など、特定の会社から給与をもらっていない場合こちらの普通徴収で支払います。住んでいる市区町村の自治体から納税通知書が届きます。
メリットとしてはクレジットカードなどの利用によってポイントなどを得ることができ、実質的な節税につながることです。
デメリットとしては自分で納税しなくてはいけないので、納税を忘れてしまう可能性があるということです。
転職後も特別徴収を継続したいなら
転職先がすでに決まっていて、なおかつ再就職までの期間が空かない場合であれば特別徴収を継続できます。
今勤めている会社が提出する「給与支払報告・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の項目「転勤(転職)等による特別徴収届出書」に必要事項を記入してもらい、転職先の会社・市区町村に提出します。
普通徴収から特別徴収に切り替えたい場合、人事に納税通知書および納付書を持っていき相談しましょう。
転職したら住民税はどこで支払える?
普通徴収の場合、会社などの代わりに払ってくれる存在がないので、自分で支払う必要があります。支払いは、6月・8月・10月・翌年の1月の4回に分けて支払います。
住民税を支払える場所は役所や納付書に記載されている金融機関での支払い・郵便局・コンビニエンスストアなどです。
最近ではインターネット上で支払えたり、スマホの決済アプリでも支払えることがあります。
もしも期限内に支払うことが難しい事情がある場合、役所に相談すると期限を延ばしてくれたり、分割での支払いに対応してくれる場合があるので滞納せず相談しましょう。
転職した月によって住民税の払い方が変わる
いざ転職するとしても、自分でタイミングを選べるわけではないですよね。そのタイミングによって特別徴収を利用できる場合と普通徴収に切り替えて支払わなければならない場合に分かれます。
1月~5月までに退職(転職)する場合、退職月の給与から5月分までの住民税を一括で徴収されます。
6月~12月までに退職(転職)する場合、退職月の住民税は給与から徴収されますが、残りの月分は普通徴収になるので自分で支払う必要があります。
転職で失業期間があるなら国民健康保険に加入が必須
転職する際に再就職まで14日以上期間が開くのであれば、国民健康保険への加入を忘れてはいけません。これを忘れてしまうと、万が一ケガや病気などになった場合、高額な医療費を支払わなければいけません。
国民健康保険に加入するためには、住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口に健康保険資格喪失証明書・本人確認ができるものを持って退職から14日以内に加入の手続きを行う必要があります。
また、元の会社の健康保険の被保険者期間が2か月以上残っている場合、退職から20日以内に健康保険証に記載されている保険者に手続きをすれば、任意継続被保険者制度を利用できます。
この制度を利用すれば、元の会社で加入していた健康保険が最長2年間利用できるので、被保険者期間が残っている場合、この制度の利用も考えてみてください。
転職で所得が減っても住民税はすぐには減らない
住民税の支払っている額を説明した際にもお伝えしましたが、住民税の額は前年度の給与から計算されて課税された分を支払っています。
もしも元の会社の方が給与が高かった場合、その給与の分の住民税を支払わなくてはいけないということには注意が必要です。
ただし、以下の場合、住民税の減額や免除を受けられる可能性があります。
- 生活保護などを受けている場合
- 解雇・倒産などで雇用保険基本手当の受給資格がある場合
- 所得が前年の6割以下に減少する場合
- 災害の被害を受けた場合
このような場合であれば、市税事務所に申請すれば減額・免除を受けられる可能性があるので、確認してみましょう。
まとめ:転職する際には住民税に注意が必要!
この記事では住民税の支払い方法が2種類に分かれていること、退職(転職)するタイミングによってはしなくてはいけないことがあるということをお伝えしました。
最も注意が必要なのは収入が0になっている期間であっても、住民税の請求は来るということです。
先ほどお伝えしたように、減額・免除を受けられるのかの相談はもちろん、来年度にかかる住民税の計算などをしておかなければ、ローン等の支払いにも支障が出る可能性があるので注意しましょう。