「仕事を辞めたい」と思っているが、なかなか辞められない、辞める決断がつかないという方は多いと思います。
では、仕事を辞めたいと思った時に「やるべきこと」や、「辞めるか辞めないかを判断するポイント」は何でしょうか。また、もし、辞めると決めた場合、スムーズに辞めるにはどのようにすればいいのでしょうか。
この記事ではそのような悩みを解決するべく、仕事を辞めたいと思った人に押さえて欲しいポイントをまとめました。
- 仕事を辞めたいと思った時に、やるべきことが分かる
- 仕事を辞めるか辞めないかの判断ポイントが分かる
- 仕事を辞めるまでの流れが分かる
アイキャチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e7%94%b7-%e6%9b%b8%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%99-%e4%ba%88%e5%ae%9a-%e3%83%87%e3%82%b9%e3%82%af-593333/
【2021年版】仕事を辞めたい理由 TOP5
会社を辞めたいと思う理由は人によって異なります。以下の表は、株式会社マイナビの「転職動向調査 2021年版(2020年実績)」をもとにランキング化したものです。
ランク | 転職活動を始めた理由(単一回答) |
---|---|
1位 | 給与が低かった |
2位 | 職場の人間関係が悪かった |
3位 | 会社倒産やリストラ・ハラスメント等の非自発的理由があった |
4位 | 仕事の内容に不満があった |
5位 | 会社の将来性・安定性に不安があった |
なぜ、仕事を辞めたいと思うのに辞められないのか?
社会人生活を続けていると、誰でも「仕事を辞めたい」と思う時があります。例えば、「日曜日の夜や、連休の最終日」、「理不尽なことで怒られ時」などには思うことがあると思います。
ではなぜ、「仕事を辞めたい」と思っていても実際に辞められないのでしょうか?その理由についてまとめてみましたので、参考にしてみてください。
- 人間関係の悪化が怖い
- 生活維持のため
- 就活時に苦労したから
- 甘えじゃないかと踏みとどまってしまう
【超重要!】仕事を辞めたい理由には2種類ある
仕事を辞めたいのに辞められない理由は人それぞれですが、どの理由も次の2種類に分類することができます。
それは、「自分で解決できる理由」と「自分では解決できない理由」の2種類です。
例えば、先程のランキングの1位「給与が低かった」や、3位「会社倒産やリストラ、ハラスメント等の非自発的理由があった」は、いずれも「自分では解決できない理由」であるケースが多いでしょう。
【一旦冷静に】仕事を辞めたいと思った時にやること
仕事を辞めたいと思っている時は、気分が落ち込んでおり、冷静な判断ができない状態であることが多いです。
そこで、もし「仕事を辞めたい」と強く思った時は次のことをやってみてください。
- 辞めたい理由を書き出す
- 書き出した理由を「嫌なこと順」に並べる
- 「自分で解決できる理由」と「自分では解決できない理由」に分類
辞めたい理由を書き出す
前述の通り、仕事を辞めたいと思っている時は冷静な気分ではないことが多いです。その場合は、今の職場で何が辛いのか、何が嫌なのかを書き出してみましょう。
紙とペンを使って書き出してもいいですし、スマホのメモ機能を使ってもいいです。なぜ、自分が仕事を辞めたいと思うのかを書き出しましょう。
書き出した理由を「嫌なこと順」に並べる
紙やスマホに書き出した理由を、自分が「これは嫌だ」と思う順に並べましょう。そうすることで、自分にとって本当に嫌なものが見えてきますし、頭の中も整理されます。
「自分で解決できる理由」と「自分では解決できない理由」に分類
最後に、並び替えた理由を「自分で解決できる理由」と「自分では解決できない理由」に分類します。
嫌なことの上位に「自分で解決できる理由」が多い場合と、「自分で解決できない問題」が多い場合とでは対処法が異なります。
【仕事を辞めたい!】こんな理由ならOK
会社を辞めたい理由は様々ですが、その中でも「自分で解決できない理由」で辞めたいと思った時は、会社を辞めても良い場合が多いでしょう。例えば次のような理由です。
- 人間関係で悩んでいる
- 労働時間や、労働環境に不満がある
- 仕事の内容が自分に合っていない
人間関係で悩んでいる
どの職場でも人間関係の悩みはつきものですが、それには許容範囲があります。新人にきちんと仕事を教えない、孤独に追い込むような雰囲気を醸し出す職場であれば辞めても良いでしょう。
また、仕事上のコミュニケーションで無視されたり、ミスをした時に必要以上に叱るような「いじめ」がある場合も同様です。
仕事とはいえ、自分自身の心身の健康が崩れれば元も子もありません。「仕事を辞めるのは甘えだ」などと思わず、辞めることを検討することが賢明でしょう。
労働時間や、労働環境に不満がある
職場によっては職員数が少なく、仕事量が多いケースがあります。多少の残業であれば許せるかもしれませんが、許容範囲外の残業であれば、プライベートにまで影響を及ぼします。
最悪の場合、睡眠時間が確保できない状況になり、体を壊す事になることもあるでしょう。こうなってしまっては本末転倒です。
仕事量が多すぎで長時間労働になっている場合は、まずは上司に相談することも一つです。その上で、一向に解決しないのであれば、仕事を辞める事を検討すべきでしょう。
仕事の内容が自分に合っていない
ある程度同じ職場で働いていれば、会社の方向性や仕事の内容が自分に合っているか見えてきます。このまま今の職場で働き続けることで、自分のやりがいや目標達成ができるかが分かってくるでしょう。
もし、そういったことが一切見えてこなかったり、今の職場では自分のキャリアプランが築けないと感じるようであれば、それは辞め時かもしれません。
「石の上にも3年」という言葉もありますが、「時は金なり」です。転職がめずらしく無い時代になった今、自分に合わない職場には早めに見切りをつけ、時間を有効活用する方が大切でしょう。
【仕事を辞めたい!】こんな理由はNG
先程とは反対に、次のような理由の場合は仕事を辞めない方が良いでしょう。ここでいう「仕事を辞めない方が良い」というのは、仕事を辞めたことを後悔する結果となる場合があるということです。
- 寿退社
- 介護で退職
- なんとなく辞める
寿退社
結婚を理由に仕事を辞める選択をする人も多いと思います。また、退職理由としても会社側が納得しやすい理由でしょう。
しかし、結婚を理由に仕事を辞めてしまうと「キャリアが途絶える」ことになり、これがデメリットとなることがあります。
新婚生活や子育てが落ち着いて、正社員で再就職しようと思っても、フルタイムで働けない場合には厳しい場合があります。また、退職した会社へ復帰しても、当時とはやり方が異なり苦労することも多いです。
介護で退職
自分の家族に介護が必要となることもあるでしょう。その場合、仕事との両立が難しく、仕事を辞める決断をする人も多いです。
しかし、仕事を辞めてしまうと収入がなくなります。しかも、その状況で「介護費用」を支払う必要がありますので、これはかなり厳しいと思います。
厚生労働省では、仕事しながら介護をする人のための「介護休業法」が制定されています。これは、要介護状態にある家族1人につき、「通算93日間」の休業が与えられるものです。
介護休業は、最大3回に分けて取得することが可能ですので、仕事を辞める前に上司に相談でみましょう。もしかすると、今の仕事を辞めることなく介護をすることができるかもしれません。
なんとなく辞める
これは一番良くない理由です。なんとなく「仕事がつまらない」「働きたくない」からという理由で仕事を辞めると後悔する可能性が高いです。
また、この場合は「疲れているだけ」の可能性も高いです。すぐに退職を考えるのではなく、いったん「有給」や「休職」してリフレッシュしてみるといいでしょう。
「有給」や「休職」も認められた権利です。「周りに迷惑がかかるかもしれない、、、」と考えてしまうかもしれませんが、体調を崩したところで上司も同僚も救ってはくれません。
退職する前に、まずは休息を取り、心身ともにリセットしましょう。リセットすることで、考えも変わるかもしれません。
【円満退社に向けて】仕事を辞める時にやるべきこと
会社を辞める時は、入社する時以上にエネルギーが必要です。また、残る職員が困らないように、退職までの計画を立てることも重要です。
- 明確な退職日の設定
- 退職の意思表示(上司への報告)
- 挨拶回り
- 仕事の引き継ぎ
明確な退職日の設定
いつ頃退職するのかを決めて、その日に合わせて転職活動などを計画的に進めることが大切です。
退職の日を明確にしないままでいると、退職時期や転職活動自体が曖昧になり、退職の意思を伝えることが先延ばしになってしまうこともあります。
退職の意思表示(上司への報告)
ドラマのようにある日突然、退職届けを突きつけて辞めるのは良くありません。会社の就業規則の定めに従い、退職の意思を伝えましょう。
また、会社の繁忙期に退職の意思を伝えることは避けましょう。残る職員に迷惑をかけることになり、悪い印象を持たれる可能性があります。
挨拶回り
お世話になった上司や、同僚には直接報告をしましょう。どこからか漏れ聞く形で退職を知ってしまうのは、相手も決して良い気持ちではありません。
あなたの退職により今後、仕事に影響を及ぼす人もいるはずです。今までお世話になった気持ちを大切に、丁寧な対応を心がけましょう。
仕事の引き継ぎ
後任へ今の業務を引き継ぐために、自分の業務をまとめた手順書を作成しておくといでしょう。手順書があれば後任者自身で、ある程度業務を把握することができるはずです。
また、退職するしない関わらず、あなたと同じ業務をこなせるスキルを持ち合わせた後輩の育成を日頃から行うようにしましょう。そうすることで、退職の時もスムーズに引き継ぎすることができます。
【転職するなら】転職活動を含めたスケジュールを!
一般的に、転職活動には約3ヶ月、退職までには1〜2ヶ月程度かかると言われています。退職を決めた場合は、転職活動も含めた退職までのスケジュールを立てましょう。
参考に、一般的な退職の流れ・スケジュールを紹介します。退職手続きや引き継ぎ業務に追われ、周囲に迷惑を掛けないよう、退職までの流れを把握して計画的に進めましょう。
- 退職の意思表示(1〜3ヶ月前)
- 退職願の提出(退職1ヶ月前〜2週間前まで)
- 業務の引き継ぎ(退職日の数日前まで)
- 退職当日(最終出社)
【転職先が未定なら】仕事を辞めた後に必要な3つの手続き
仕事を辞めた後、すぐに次の転職先が決まっている場合は会社側でほとんどの手続きを行ってくれます。しかし、次の転職先が決まっていない場合は、自分で次の3つの手続きをする必要があります。
- 年金の切り替え手続き
- 健康保険の切り替え手続き
- 失業保険の申請手続き
年金の切り替え手続き
退職すると給与からの天引きがなくなるので、自分で国民年金を納めるか、配偶者の扶養に入るなどの手続きが必要です。
国民年金の切り替え手続きは、市区町村役場で受付しており、会社を退職してから14日以内に切り替える必要があります。
健康保険の切り替え手続き
退職後は「国民健康保険に新たに加入する」「任意でこのまま会社の健康保険に加入する」「配偶者の扶養に入る」のいずれかを選ぶことになります。
基本的には国民健康保険に入ることが多く、その手続きは市区町村役場でできます。こちらも、社会保険が失効してから14日以内に行う必要があります。
失業保険の申請手続き
雇用保険の加入期間が1年以上(会社都合の場合は6ヶ月)であれば失業保険の受給が可能です。受け取るには申請が必要なので、ハローワークへ行って手続きをしましょう。
まとめ:辞めたい理由を冷静に考えてみよう
仕事を辞めるまでには、やるべきことがたくさんあり、エネルギーもかなり必要です。しかし、仕事を辞めることはライフステージの一つの節目であり、新しいスタートでもあります。
仕事が辞めたくなった時はまずその理由を整理し、その理由が「自分では解決できない理由」であれば、辞めるという選択はありだと思います。
そして、辞めると決めた時には、辞めた後のことまでしっかりと考え、計画的に進めるようにしましょう。