「不動産投資に宅建は必要なの?」「宅建の資格がどのように活かせるのかわからない」と頭を抱えてはいませんか?
宅建が不動産投資に役立ちそうでも、必要かどうかわからず、どんな資格なのかも詳しくなければ、勉強しようにも大変ですよね。
この記事では、宅建の資格が不動産投資に必要なのか、宅建資格を取るメリットや勉強方法を紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/家-プロパティ-手-保つ-3963987/)
【結論】不動産投資に宅建は必要か?
結論から言うと、不動産投資に宅建(宅地建物取引士)の資格取得は、必須ではありません。不動産投資を行うために特定の資格は不要です。
不動産投資家の多くが、宅建の資格を持っていません。また宅建の資格を持たずとも、成功している方はたくさんいます。
ただし、宅建の勉強をするなかで不動産関連の専門用語に強くなったり、法律や税制面の知識が身に付くなどのメリットがあります。また、物件管理においても強みとなるでしょう。
次項では宅建がどのような資格なのか解説します。宅建が不動産投資に活かせるのか理解するには、まず宅建士の業務を把握しておくとよいでしょう。
そもそも宅建士の業務とは?
宅建資格を取得することでなれる宅建士は、不動産取引の専門家です。宅建は毎年20万人以上の受験者がいる国家資格です。以下に宅建士が行う3つの業務をご紹介します。
- 重要事項説明
- 重要事項説明書の記名・押印
- 契約書の記名・押印
重要事項説明は宅地建物取引業法(宅建業法)により、不動産の売買では必ず行うよう定められています。
重要事項説明書は、登記された権利や法令に基づく制限などの物件に関する事項や、代金や契約解除などの取引条件に関する事項が記載された書類です。
物件売買や賃貸借の契約は宅建士が作成・記名・押印した重要事項説明書を、契約者に口頭で説明した上で成立します。
このように宅建士は不動産取引において重要な業務を行います。次項では、不動産投資家が宅建を取得することで得られる、5つのメリットを解説します。
- 判断力が得られる
- 違法物件を見極められる
- 重要事項説明書が理解できる
- 交渉に有利
- 物件管理に役立つ
不動産投資で宅建を持つメリット①判断力が得られる
不動産投資には難しい専門用語が使用されます。不動産投資を始めるには講習会に参加したり、書籍で勉強したり、不動産投資のパンフレットなどで情報を集めるでしょう。
宅建を取得するためには不動産特有の用語、制度や法律の理解が必要になります。宅建を持っていれば、それらの専門知識に戸惑うことはありません。
購入を検討する物件のデメリットが理解でき、良い物件を選ぶ判断力が身につくでしょう。また、業者の強引な勧誘も宅建を持っていることで、抑止力につながります。
不動産投資で宅建を持つメリット②違法物件を見極められる
不動産投資市場では違法建築物件が存在します。建築物には建蔽率、高さ制限、接道義務など多くの法令上の規制があり、違反する建築は違法建築物件とされます。
違法建築物件は再建築できない、行政からの指導が入る可能性などのリスクがあるため、なかには安値で取引されるケースもあるのも事実です。
そうしたことから、違法建築物件は高利回りを期待できる建築もある一方で、投資初心者には難しく経験を積んだ投資家やプロ向きと言えます。
宅建士を取得すれば法令上の制限が理解できるため、違法建築物件を見抜くことができます。目先の利益に惑わされることなく、冷静に判断しやすくなるでしょう。
不動産投資で宅建を持つメリット③重要事項説明書が理解できる
不動産取引には重要事項説明が義務付けられており、重要事項説明書が発行されます。前述のように、重要事項説明書には物件の権利や法令上の制限、取引条件の詳細が記載されています。
情報量が膨大で専門用語も多い書類のため、知識がなければ理解できない内容もあるでしょう。
そんなときに宅建を取得していれば、取引の際に交渉した内容に相違がないか、自分に不利になる項目がないかを的確に判断できます。
重要事項説明書をチェックした結果、購入を考え直すケースもあります。宅建の知識は重要事項説明書の内容を深く理解するため、大いに活用できるでしょう。
不動産投資で宅建を持つメリット④交渉に有利
不動産の売買は、売主、不動産会社、金融機関など様々な取引相手と関わります。そこで宅建の資格があれば、素人ではないと印象づけられます。
例えば、金融機関で融資を受ける際には、法令を順守した物件であるとアピールでき有利に進められるでしょう。
また、法令や権利関係の知識を活かせば、違法建築や再建築不可などのリスクをもとに価格交渉が可能です。
さらに物件を売るときにも、法制度を遵守した物件、信頼できる物件であると強調できます。売買での交渉に役立つ点は宅建資格の魅力です。
不動産投資で宅建を持つメリット⑤物件管理に役立つ
不動産は購入して終わりではありません。当然のことながら、購入後には物件管理も必要になります。
物件管理に宅建の資格は必須ではありませんが、所有していることでメリットがあります。
物件の管理は管理会社に委託することが多いのですが、自分も知識を持っているためしっかり管理しているのか判断できます。管理会社任せにせず、不備があれば指摘できるようになるでしょう。
また、入居者の権利についても知識があるとアピールできるため、信頼を得られやすくなります。入居者の立場で考えられるオーナーなら、早期退去や空室を減らしやすくなるでしょう。
宅建資格を取る方法
このように不動産投資に宅建資格は必須ではないものの、多くのメリットがあります。そこで宅建士の資格を取得したいとお考えの方に、資格取得の方法を解説します。
資格取得には年に1回実施される宅建試験に合格しなければなりません。宅建試験の合格率は15%程度と、決して簡単ではありません。合格までに数年かかる人もいます。
そのための勉強時間も多く、150〜300時間程度とされています。普段の仕事と並行して宅建士取得を目指す方の場合、勉強時間確保のために半年前から準備をすすめると良いでしょう。
また宅建試験に合格して終わりではありません。実務経験2年未満の方は講習を受講し、都道府県に登録手続きを行い「宅地建物取引士証」の交付を受ける必要があります。
宅建を取得するための勉強方法
前述のように宅建試験の合格率は低く、時間をかけて勉強しなければなりません。どんな資格を取るにも勉強は必要です。また、難しい試験であるほど、資格取得者の希少性は上がるでしょう。
宅建資格取得には効果的な勉強が必要です。そこで以下に資格取得のための勉強方法を3つご紹介します。ご自身に合った勉強方法を実践してみましょう。
- 参考書で自主学習
- 通信教育を利用する
- 資格学校を利用する
参考書で自主学習
参考書を使った自主学習は、すべての資格勉強に共通する方法です。勉強の基本は自学自習であるため、参考書を読んで問題を解くという繰り返しは必須です。
自分のペースで学習が進められる反面、学習計画を自分で立てなければならず、学習意欲の維持が難しいというデメリットもあります。
ただしコスパは3つの中で最高です。参考書は3,000円程度のものが売れ筋で、資格学校や通信教育ほどの費用はかかりません。自主学習を計画的に進められる人にはおすすめです。
また売れ筋の参考書は以下のとおりです。内容を確認して勉強しやすいものを選びましょう。
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通信教育を利用する
参考書での自主学習よりは費用がかかりますが、通信教育を利用する方法もあります。
通信教育では学習計画を自動で作成してくれたり、e-ラーニングを活用したり、苦手分野のアドバイスが受けられるなど、独学では得られないサポートを受けられる点が魅力です。
「自分で学習計画を立てるのは面倒だけど、スクールに通う時間はもったいない」と思われる方にはおすすめの方法です。
資格試験の傾向を理解する講師陣に質問できる点も、自主学習のみでは得られないメリットがあります。
資格学校を利用する
資格学校では専門の教材を使用し、講師から直接講義を受けられます。学校に通わなければならないため、反強制的に勉強できる環境に身を置けます。
監視の目があるというのは勉強する上で大事です。だれからも見られていないと勉強しない理由を作って、いくらでもサボれます。
わからない点や理解しにくい分野があれば、直接講師に質問できるところもメリットです。ただし、授業料や交通費などのコストがかさみます。
スクールに通う時間が確保でき、金銭的にも余裕がある人に向いた方法でしょう。
【まとめ】不動産投資に宅建の知識は武器になる
不動産投資に宅建資格が必要なのか、宅建を取得するメリットや勉強方法を解説しました。前述のように不動産投資に宅建資格は必須ではないものの、学習することで活かせる点も多くあります。
宅建取得はまとまった勉強時間が必要であり、簡単ではありません。しかし、宅建資格を持つことは、不動産投資家の強みになります。
また仮に試験に合格しなくとも、不動産投資に関わる権利や法令、制度の勉強は無駄になりません。宅建の勉強は不動産に関わる様々な問題の回避に、活用できるでしょう。