「マンション購入を考えているけど、今の年収で購入できるのだろうか」と考えたことはないでしょうか。
実際に、年収とマンションの額だけを見て購入を諦めた方もいらっしゃいます。
しかし、しっかりとお金の計算さえできれば、どの年収でもマンション購入は可能です。
この記事では、年収別のシミュレーションやかかるお金、注意点などを解説していますので、マンション購入を考えている方は最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.pakutaso.com/20220344087post-39467.html
マンション購入をした人の平均年収と年齢
国土交通省の令和3年度住宅市場動向調査報告書によると、マンションを購入した世帯の平均収入は912万円と報告されています。
(参考:2021年度_住宅市場動向調査報告書 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000031920014
また、一次取得した世帯の平均収入は852万円、中古マンションでも715万円でした。
日本人の平均収入は403万円であるため、マンション購入をしている人はかなり収入が高い人であることがわかります。
年齢で見ると、マンション購入した人の平均年齢は44.3歳であり、ある程度収入が安定してきた年代の人が購入する傾向にあります。
マンション購入時の価格は年収の○○倍
住宅金融支援機構の2021年度フラット35利用者調査によると、全体平均では年収の7.2倍、中古マンションでは5.8倍のマンションを購入していると報告されています。
(参考:2021年度集計表:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) https://view.officeapps.live.com/op/view.aspx?src=https%3A%2F%2Fwww.jhf.go.jp%2Ffiles%2F400361624.xlsx&wdOrigin=BROWSELINK
また、全体平均を地域別でみると首都圏は7.6倍、近畿は7.1倍、東海は6.8倍となっており、都市圏は価格が高い傾向です。
中古マンションで見ると首都圏は6.1倍、近畿は5.6倍、東海は4.9倍と、全体平均と比較して安い傾向です。
これらのデータから、マンション購入時の価格は年収の5~7倍が平均的です。
マンション購入をする前にかかるお金
マンション購入はすぐにできるものではなく、準備するべきお金が2つあります。
- 頭金
- 住宅ローン
頭金
頭金とは、購入する不動産の価格から住宅ローン借入額を差し引いた額のことを指します。つまり、自分で用意できるお金のことです。
頭金を多く用意するほど、住宅ローンの返済額が少なくなりますが、突然の出費が発生したときに対応ができなくなります。
貯蓄はしっかりと残した状態で、頭金をいくら払えるかを算出することが大切です。
住宅ローン
住宅ローンとは、金融機関から不動産を購入する際に借りるお金のことを指します。
住宅ローンを借りる際には、金融機関の審査に通る必要があり、審査の結果によって借りられる額も変動します。
ただ、住宅ローンは借金ですので、返済をしなければなりません。返済できない額まで借金するのは避けましょう。
マンション購入をした後にかかるお金
マンション購入時にかかるお金は、マンション購入をした後にも発生します。
必ず考慮してほしい、マンション購入をした後にかかるお金3つを紹介します。
- 維持費
- 税金
- 保険料
維持費
マンションを長く使用するためにも、定期的なメンテナンスは欠かせません。
共用スペースを維持するためにかかる管理費、マンションや駐車場の修繕にかかる修繕費などがあります。
また、維持費は毎月2~5万円、年間で24~60万円かかるため、住宅ローンを借りている場合は、返済に苦労します。
税金
マンションを所持していると、毎年都市計画税と固定資産税が毎年1月1日に発生します。
どちらとも都市に近いほど額が高くなり、郊外に近いほど低くなります。
仮に2,000万円のマンションを所有しているとすると、都市計画税は約4万円、固定資産税は約15~40万円となります。
保険料
もし、マンション内で火災が起きた時や、地震が起きた時に備えて保険も用意しなければなりません。
マンション購入後に適用する保険は、火災保険と地震保険の2つがあれば十分といえます。
保険料もマンションの大きさや築年数によって変動しますが、火災保険と地震保険合わせて毎年約4万円前後となります。
マンション購入時に住宅ローンは借り入れるべき?
マンション購入は多額のお金が必要となるため、住宅ローンの借り入れはほとんどの人が必須です。
しかし、金利の変動や急なライフプランの変更、病気のリスクを考えず借り入れを行うと、返済できない可能性が発生します。
そのため、できるだけ頭金を多く準備し、住宅ローンの借入額を少なくすることが重要です。
返済の目安として、住宅ローンの年間返済額は収入の25%以下にすれば無理のない返済が行えます。
購入時にかかるお金の計算方法
マンション購入後にかかるお金はともかく、購入する前にかかるお金の計算は絶対に行いたいですよね。
実は「頭金+借入可能額=マンション購入額」という簡単な計算式で算出できます。
仮に頭金が300万円、マンション購入額が2,000万円だとすると、借入可能額は1,700万円となります。
借入可能額を算出しましたが、頭金の準備額やマンション購入額の目安も算出できるので、絶対に覚えましょう。
年収300万円でマンション購入は可能?
年収300万円でマンション購入は可能ですが、低価格なマンションにするか、頭金を多く準備する必要があります。
毎月の手取りを20万円、住居費を含む生活費を毎月12万円と仮定すると、残りは8万円しかなくなります。
その中で高額なマンションを購入すると住宅ローンの返済はもちろん、維持費や税金、保険料すら払えません。
生活費を削るという選択肢も考えるかもしれませんが、おすすめはできません。
年収400万円でマンション購入は可能?
年収400万円でもマンション購入は可能ですが、やはり低価格なマンションにするか、頭金を多く準備することに変わりはありません。
毎月の手取りを22万円、住居費を含む生活費を毎月12万円と仮定すると、残りは10万円となります。
年収300万円の方と比較すると手取り額は多くなりましたが、維持費や税金、保険料を払うと貯金がほとんどなくなります。
生活費を削る必要はありませんが、余裕のある生活を送ることは難しいです。
年収500万円でマンション購入は可能?
年収500万円でもマンション購入は可能ですが、節税や節約など、生活に工夫する必要があります。
毎月の手取りを27万円、住居費を含む生活費を毎月12万円と仮定すると、残りは15万円となります。
維持費や税金、保険料を払っても貯金が残るため、少し余裕のある生活ができるでしょう。
余裕ができたとはいえ、今後の生活によっては収入が下がる可能性があります。購入時にお金の計画を立て、都度見直すことが必要です。
共働き夫婦の平均年収でマンション購入は可能?
共働き夫婦の平均年収である約740万円でマンション購入は可能であり、資産管理をしっかりすれば余裕のある生活も可能です。(参照:統計局ホームページ/家計調査報告 ―月・四半期・年―https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html#nen
2人の年収によって手取りに差が出ますが、マンション購入後の維持費や税金、保険料は無理なく支払うことが可能です。
もし、パートナーがいるのであれば、マンション購入について協力を依頼してみてはどうでしょうか。
マンション購入時の注意点
マンション購入は多額のお金を使用するため、注意しなければならない点が2つあります。
- 想定外の事態に対応できるか
- 金利の変動に対応できるか
想定外の事態に対応できるか
適切な額のマンションであればよいのですが、無理に高価なマンションを購入すると想定外の事態に対応できません。
冠婚葬祭や入院、家電の故障などに対応できるはずが、マンション購入によって対応できないこともあります。
購入時に不安だと感じたら、住宅ローンの借り入れ額や物件の変更など考えてみましょう。
金利の変動に対応できるか
金利の変動は住宅ローンの返済額も変動するため、注意が必要です。
住宅ローンには固定金利と変動金利がありますが、変動金利の場合、金利が随時変更されます。
低金利であれば問題ないのですが、高金利の場合、返済額が増額されるので、意識しておきましょう。
まとめ:年収を考えてマンション購入を検討しよう
マンション購入は多額のお金を必要とするため、慎重に購入を検討しなければなりません。
「頭金+借入可能額=マンション購入額」という計算式と、年収によるマンション購入後の生活状況は覚えておきましょう。
想定外の事態と金利の変動には長い期間注意しなければなりませんが、上手くいくと大きな資産となります。
あなたの収入とリスク許容度を考え、慎重にマンション購入を検討しましょう。