初めてのペットとしてイモリを飼育してみたいが、「実際飼育って大変なのかな」「どうやって入手するのかな」などと気になったことはありませんか?
実際に、イモリをペットとして飼育しようと思っても生態や餌や飼育方法など分からなくて不安ですよね。
この記事では、イモリの飼育方法や生態や入手方法について紹介しています。
この記事を読むだけで、イモリの飼育方法や飼育の際に必要なものや価格などが分かるのでぜひ最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/24228944?title=%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%8F%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%83%AA&searchId=1616882058)
イモリは飼育しやすい?イモリの生態とは?
イモリは、生活の大半を水中で過ごす60〜200mm程度の大きさの両生類です。同じ両生類には、カエルやウーパールーパーが属しています。
イモリの寿命は、10〜15年でとても長生きな生き物です。「前足の指の数が4本」「まぶたがある」「爪やウロコがない」などの特徴があります。
一般的にイモリというと日本固有種のアカハライモリのことを指しており、お腹が赤いことから「アカハライモリ」という名前がついています。
その他日本に生息しているイモリは、アマミシリケンイモリ・オキナワシリケンイモリ・イボイモリです。
イモリとヤモリの違いについて解説!
イモリとヤモリは名前が似ているため、同じだと思っている人が多いと思うのでイモリとヤモリの違いについて説明します。
- イモリ・・・野生種で田んぼや池の淀みなどに生息する両生類
- ヤモリ・・・陸地に住む爬虫類
イモリは両生類でヤモリは爬虫類なので、実際はかなりの違うことを理解しましょう。また、名前の由来もそれぞれ違います。
井戸の近くに棲みつき有害な生き物を井戸から守ったことが由来なイモリと人の家に棲みつき有害な昆虫などから家を守ったことが由来のヤモリが名前の由来です。
イモリはどこに生息している?イモリの種類3選!
ここでは、アカハライモリ・シリケンイモリ・イボイモリが日本のどこに生息しているのかを紹介します。
アカハライモリ
アカハライモリは、本州・四国・九州に生息している日本固有種です。田んぼや川や池などの水辺に生息しています。
アカハライモリは水棲傾向が強いのが特徴的で、水中で生活する時間が陸地で生活する時間に比べて長いです。
シリケンイモリ
シリケンイモリは、渡瀬線と呼ばれる奄美大島と屋久島の間に引かれた境界線の南側に生息しています。
シリケンイモリは、奄美大島に生息しているアマミシリケンイモリと沖縄に生息しているオキナワシリケンイモリの2種類です。
シリケンイモリは、アカハライモリに比べて陸棲傾向が強く平地や森の河川や池の近くに生息しています。
イボイモリ
イボイモリは、奄美大島や沖縄本島に生息しています。ゴツゴツとした表皮が特徴的なイモリです。
イボイモリは、ほぼ陸地で過ごします。日本の天然記念物に指定されている希少動物で絶滅の危惧にあり一般的には飼育することができないのが現状です。
イボイモリを飼育したい場合は、中国に生息しているミナミイボイモリを代わりに飼育することをオススメします。
イモリは飼育しやすい?イモリの特徴2つ紹介!
ここでは、あまり知られていないイモリの特徴について2つ紹介します。
- 高い再生能力
- 毒を持っている
高い再生能力
イモリの特徴は、驚くべき高い再生能力があることです。イモリは、尾が切れてしまっても再生することができます。
爬虫類であるトカゲも切れてしまった尻尾を再生する能力がありますが、トカゲは骨までは再生することができません。
それに比べて、イモリは骨まで再生することが可能です。手足・目・心臓・脳などに一部傷がついてしまっていても再生することができるので高い再生能力があると言えます。
毒を持っている
あまり知られていませんが、イモリは毒を持っています。フグが持っている毒と同じテトロドトキシンを有しています。
しかし、イモリが持っている毒は人間の命を奪うような強さではないので心配することはないでしょう。
命の危険には及びませんが、手がかぶれたりする場合があるのでイモリに触った後はしっかりと手を洗うことをオススメします。
イモリの価格は?
アカハライモリは1匹400〜700円、シリケンイモリは1匹900〜1500円で販売されており、珍しい種類のイモリは10,000円を超えるものもあります。
アカハライモリは、採集された地域によって腹部の赤い部分の面積が少しずつ違うので地域によって価格が違ってきます。
また、アカハライモリは両生類に分類されており対面販売が義務付けられていません。
そのため、オークションサイトや通信販売サイトなどのオンラインショップで購入することができるのが魅力的です。
イモリの飼育を始める際に必要なものとは?
ここでは、イモリの飼育を始める際に必要な物について説明します。イモリは生き物です。大切に育てるという覚悟を持って飼育をしましょう。
- 飼育ゲージ
- フィルター
- 底砂
- 流木や浮島などのレイアウト用品
飼育ゲージ
イモリに適している飼育ゲージは、蓋が閉まるものです。イモリは、脱走の名人であるのでツルツルしていて登りずらいガラスであっても上手に登ることができてしまいます。
そのため、蓋が閉まるゲージがオススメです。グラステラリウムという爬虫類専用のゲージを使うのがよいでしょう。
グラステラリウムは、通気性に優れていることやフィルターなどのコードを通す小さい穴が空いているので特別な工作が必要ないのが魅力的です。
しかし、水量が確保できないため水が汚れやすいことが難点だと言えます。
フィルター
フィルターとは、水槽内の水を吸い取って内部で浄化し水を吐き出す器具のことです。フィルターを通すことにより、不純物が取り除かれ水が清潔に保たれます。
フィルターは必須ではないですが、水を綺麗に保ったり水を循環させるために使用します。
水は、イモリのフンや餌ですぐに汚れてしまうので水の管理を楽にするためにもフィルターをつけることよいでしょう。
イモリは、強い水の流れはあまり好みません。水草や障害物で水の流れを制御するかフィルターの強さなどを弱めに設定しましょう。
底砂
底砂とは名前の通り、水槽の底に敷く砂のことを言います。底砂を入れることで、水質が安定してりバクテリアがフンや餌などの有機物を分解するなどの効果があります。
陸地を作るための高低差をつけたり、水草を植え付けることが可能になるので底砂を用意しましょう。
流木や浮島などのレイアウト用品
シリケンイモリは個体によってほとんど陸地にいることがあります。
そのため、シリケンイモリを飼育する場合は陸地の作成は必須です。水棲傾向の強いアカハライモリでも水から離れて休める場所が必要だと思います。
そのため、ケージ内には水と陸の両方作りたいですが陸が作れない場合は浮島などのレイアウト用品を購入して陸地を確保してあげましょう。
イモリを飼育する際の注意点3選!
ここでは、イモリを飼育する際の注意点を3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- 脱走
- やけど
- 餌の与えすぎ
脱走
イモリの事故で最も多いのが脱走です。垂直に立ったガラスでも難なく登ることができてしまいます。
イモリの表皮は粘膜で覆われているため、想像以上にガラスや壁にくっつくことが可能です。小さな隙間があるとそこから逃げ出してしまいます。
逃走されないためにも、脱走されにくいケージ選びや隙間を防ぐ対策をすることが重要です。
やけど
イモリを飼育する場合は温度管理が重要です。水温は20℃〜27℃が適しています。
人間の体温は36℃であるので、イモリにとって人間の体温はやけどしてしまうほど熱いのです。
イモリを触る場合は、手を十分に冷やしてから触るようにし長時間触らないようにしましょう。
餌の与えすぎ
イモリは、餌を与えると可能な限り食べようとしてしまう生き物です。
餌の与えすぎが原因で、消化不良を起こしてしまい突然死することがあります。
餌を食べている姿はとても可愛くて魅力的ですが、餌の与えすぎには注意しましょう。
イモリの餌は何をどうやって与えるべき?
ここでは、イモリの餌は何をどうやって与えるべきなのかを紹介します。
イモリの餌は何をあげる?
イモリの餌には、人工飼料と生き餌の2つです。人工飼料はイモリ専用のものがオススメです。しかし、ウーパールーパーやナマズ専用の人工飼料でも代用することができます。
- 人工飼料
- 生き餌
生き餌だと、アカヒレ・イトミミズ・冷凍アカムシを好みます。イモリは1週間程度なら絶食しても問題はありません。
イモリの餌の与え方について!
イモリに餌を与える頻度は、週に1、2回です。ピンセットで餌を掴んで、イモリの顔の前に置いてあげましょう。
オススメの餌の与え方は、生体をタッパに移して個別に餌を与えてあげるという方法です。この方法の利点は3つあります。
- 水を汚さない
- どれだけ食べたのかが1匹、1匹わかる
- 誤飲を防げる
前にも紹介したように、イモリは餌があればあるだけ食べてしまいます。肥満や消化不良の原因になるので餌の与え方には十分注意をしましょう。
イモリの飼育しやすいおすすめの種類とは?
ここでは、初心者でも飼育しやすいイモリを3種類紹介しています。
- アカハライモリ(国産)
- シリケンイモリ(国産)
- コイチョウハナダイモリ(外国産)
アカハライモリ(国産)
アカハライモリは、日本でよくみられるイモリで赤い腹が特徴的です。別名はニホンイモリとも言います。
アカハライモリは、ペットショップで買うことができ自然界からも採取することができるので最も手に入りやすいイモリです。
ペットショップで購入する際は、弱っている個体は購入を避けましょう。価格も安く手に入り、体調も10cm程度で大きくないので初心者にはオススメだと言えます。
シリケンイモリ(国産)
シリケンイモリは、生息地が限られているので自然界から採取するのは難しいでしょう。両生類を扱っているショップでの購入が基本となります。
体長が10〜15cm程度でアカハライモリと比べると大きめですが、暑さには比較的強く育てやすいので初心者にオススメです。
コイチョウハナダイモリ(外国産)
小イチョウハナダイモリは、中国原産で日本のアカハライモリの近緑種です。
中国の現地で採取しても空港や港でストップがかかってしまい日本に持って帰ってくることはできないため、ショップ購入でしか買うことができません。
1500円と価格は少し高めですが、アカハライモリの近緑種なだけあって初心者向けで育てやすいです。
飼育したい!イモリの入手方法について!
イモリは、自然界から採取することもできますがペットショップかホームセンターなどで購入するのが一般的です。
また、縁日やイベントなどで行われる「イモリすくい」で入手することもできます。
「イモリすくい」のイモリにはアカハライモリとシリケンイモリが混ざっているケースが多く500円位の価格で2匹持ち帰ることができる場合が多いです。
自然界から採取したい場合などは、地域の条例で持ち出しが禁止になっていることもあるのでしっかり調べてから採取しましょう。
イモリは飼育しやすいので初心者にオススメ!
イモリは、寿命が10〜15年でとても長生きな生き物です。イモリの飼育は、脱走をされないようにすることと餌の与えすぎに注意することが基本となります。
この基本をしっかりと守った上で、イモリが自由に生活できるようにしてあげましょう。基本を守りさえすればイモリは飼育しやすい生き物です。
また、イモリを飼育する前に絶対に最後まで面倒を見る覚悟があるのか考えて覚悟がないのなら飼育するのをやめてください。
最後まで面倒を見る覚悟がある方は、ペットショップやホームセンターなどでイモリを入手しイモリと共に楽しい生活を送りましょう。