犬を飼い始めたばかりだと、「犬のしつけはいつから始めたらいいの?」「犬のしつけはどうやるの?」と疑問が浮かびますよね。
この記事では、実際にコーギーを飼っていた経験のある筆者が、具体的なしつけ方法を紹介します。
さらに効果的なしつけの秘策や、気になるトイレの教え方まで公開しているので、ぜひ参考にしてください。
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いつから犬のしつけを始めればいいの?
犬のしつけは、生後2〜3か月に始めましょう。これは人間で例えると、小学生と同じくらいに当たります。
生後2〜3か月に適切なしつけを受けた犬は、飼い主の言うことを聞く、行儀のよい犬へと育ちます。一方で、きちんとしたしつけを受けず自由に育てられた犬は、いたずらばかりする犬になってしまう可能性が高いです。
また成犬になってからしつけると、犬は精神的ストレスを感じてしまい、病気になりかねません。生後2〜3か月の早い時期に、適切なしつけを始めるよう心がけましょう。
いつから?しつけ前から!慣らしておくべきこと4つ
そもそも犬と飼い主との関係性が築けていないと、しつけは難しいものです。犬にとって初めてのことは、不安に感じるでしょう。
ここからは、犬をしつける前にしておきたいことを4つ紹介します。犬と信頼関係を深めるためにも、ぜひ実践してください。
- 体を触る
- 口の中を触る
- 首輪に慣らす
- 外に慣らす
スキンシップで体を触ってみよう
体を触られることに慣らしておくと、今後のしつけがスムーズに行えます。
首から胸、耳の付け根から背筋、腹部から足先までをゆっくりと優しく撫でてあげましょう。このときに「いい子だね」「じっとしていようね」など、声をかけてあげるのも効果的です。
健康も大切!口の中を触らせてもらおう
「体は触らせてくれても、口の中はさすがに触らせてくれないのでは?」と思いますよね。しかし口の中を触らせてもらえないと、歯磨きや薬を飲ませるときに困ってしまいます。
まずは片手で口を開けて、もう片方の手で食べ物を与えてみましょう。このとき、手を噛まれたら厳しく叱り、言うことを聞いたら褒めることが大切です。
慣れてくると、歯や口の中を点検できるようになります。虫歯を見つけられたり、口の中の異変に気づけたりするため、早い段階で慣れさせましょう。
その首輪で大丈夫?ベストな首輪を知ろう
首輪に慣れていないと、散歩にも行けません。犬にとって適切な首輪を選び、早めに慣れさせてあげてください。
首輪は生後1か月くらいから付けて大丈夫です。質感は柔らかくて軽い、ナイロン製のものが好ましいでしょう。
付けるときは、首輪に指が2〜3本スッと通るくらいの締め方が理想的ですよ。
子犬の成長は早いので、首がきつくならないよう適度に調節してあげましょう。
散歩へ行く前に必須!外に慣れてもらおう
外に出ることが初めての場合、ひどく怯えてしまう犬もいます。まずは玄関先など、家の周囲で車や人に慣れさせましょう。
犬と一緒にしゃがんであげたり、近くの公園まで抱っこして行き、帰りは歩かせてみたりするのも効果的ですよ。
あくまで犬のペースに合わせてあげることを念頭に、無理強いは絶対にしないよう心がけましょう!無理をさせると、外の世界にネガティブな感情を抱き、かえって散歩嫌いになってしまう可能性があります。
最低限教えておきたい!具体的なしつけ例7つ
「犬のしつけは生後2〜3か月から」というのは分かりましたが、具体的に何をどうやってしつけたらいいものか悩みますよね。
ここからは、最低限教えておきたいしつけを7つ紹介します。具体的なしつけ手順も説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
- だめ
- お座り
- 待て
- おいで
- 伏せ
- うしろ
- ハウス
1:だめ
やってはいけないことをしたとき、いたずらをしたときに基本となるしつけです。
まずは犬の前に手のひらを見せつけ、はっきり大きな声で「だめ!」と言います。それでも効果がなけば、もう一度「だめ!」と言って鼻先を軽く叩いてみましょう。お尻でもOKですよ。
このような叱るしつけは、その場ですかさず、厳しく行うことが大切です。
2:お座り
座る姿勢は服従心の表れです。また座って次の指示を待つ、期待感も込められています。
まずは左手でリード(紐)を持ち、犬と向かい合いましょう。次に右手の人差し指を立てながら上へ高くあげ、「お座り」と言います。同時にリードを上に引き上げるのがコツです。
見事お座りができたら、しっかりと褒めてあげましょう。褒めてあげるまでが、しつけの一環です。
3:待て
「待て」は、ご飯を与えるときに教えると有効的ですが、ご飯以外のシーンでもできるようにしつけることが大切です。
犬の正面に立ち、まずは「お座り」を命じましょう。その後「待て」と言いながら、少しずつ後ろに下がって犬との距離を離していきます。
立ち上がってついて来たら、「待て」と言って元の場所に座らせてください。これらを繰り返し行い、犬が動かずに待てるようになれば、「待て」の習得が完了です。
4:おいで
「おいで」は、何をしていても絶対に行かなければならない、絶対服従の意味も込められています。呼ばれたら反射的に来るようにしつけてみましょう。
前述した「待て」を行い、しばらくそのままにします。その後、体勢を低くし1〜2歩下がり、「おいで」と言いながら呼び込む感じでリードを引きましょう。
呼ばれて来た犬に対して、嫌がることをしないよう注意しましょう!犬は呼ばれると「嫌なことが待っている…」と認識してしまいます。
5:伏せ
「伏せ」は、命令にすぐ従える、服従性が高い待機の姿勢とも言えます。
まずは左手でリードを持ち、正面に座らせましょう。次に、右手をゆっくり下ろしながら、「伏せ」と言います。このとき、左手のリードを前下方向に引くのがコツです。
嫌がる場合は、両手を掴みながら伸ばして「伏せ」をさせる方法もあるので、こちらを試してみてください。
伏せは緊張を伴う姿勢でもあるため、初めのうちは長時間させないようにしましょう。
6:うしろ
「うしろ」は、犬が飼い主の左足斜め後ろをピッタリとついて歩くようにさせるしつけです。これをマスターすると、リードなしで一緒に歩けるようになりますよ。
まずは犬を左足側につけて、リードを右手で持ち、左手では短くなるよう調整して持ちます。そしてゆっくりと歩いてみましょう。
犬が飼い主より先に進んだら「うしろ!」と言って、リードを強めに引っ張ってください。これらを繰り返し行い、しっかり横につけるようになれば成功です。
7:ハウス
犬を小屋へ入れるしつけです。室内犬の場合は、特に必要となってくるでしょう。
まずは犬を小屋の前まで連れて行き、「ハウス」と言いながらお尻付近をポンポンと軽く叩いて、小屋に入るよう促してください。入ったら「よしよし」と、十分に褒めます。
「おいで」と同様、小屋の中が安心できる場所だと理解してもらうためにも、小屋に入っている犬を叱らないよう気をつけましょう。
もっと効果的に犬をしつけられる!3つの秘訣を紹介
ここまで、最低限教えておきたいしつけを7つ紹介してきました。
「しつけのとき、気をつけることはあるの?」「犬に対してどう接したらいいの?」と、さまざまな悩みが出てきますよね。
ここからは、これらのしつけをより効果的にする「3つの秘訣」を特別に紹介します。
- 1対1でしつける
- 「言葉」と「ポーズ」を決める
- 愛情が何よりも大切
基本的には1対1でしつける
基本とも言えることですが、犬にしつけをするときは、1対1で行うようにしてください。
犬は不特定多数の人からしつけられると、頭が混乱してしまい、集中できなくなってしまいます。例えば、自分は許してあげることを、お母さんは叱っているといったことです。
犬が何をしたら叱られ、何をすると褒められるのか、簡単に理解できるようしつけに一貫性を持たせましょう。
「言葉」と「ポーズ」を統一させる
一定の「言葉」と「ポーズ」を決めておくと、しつけがスムーズに進みます。
犬にとって、言葉は聴覚的に判断できるものであり、ポーズは視覚的に認識できるものです。これらを統一することによって、条件反射的に特定の行動をとるよう、強く印象付けられます。
愛情を持って接する
「怒りは感情、叱りは愛情」と言うように、しつけの際は感情よりも愛情を持って接しましょう。
犬は人間の感情にとても敏感で、すぐに嘘と本心を見抜くと言われています。心からの愛情を注ぐことで初めて、飼い主のしつけを聞くようになることを忘れないでください。
正しい「褒め方」と「叱り方」をマスターしよう!
犬のしつけをするにあたって、「どのように褒めたらいいのだろう?」「この叱り方で大丈夫なのかな?」と不安や疑問を抱えますよね。
褒めると叱るの黄金比率は「9:1」が理想的です。メリハリを意識してしつけることで、行儀の良い犬へと成長しますよ。
また犬は、頭上にかざされた手に圧迫感を覚えます。頭上から「よしよし」と頭を撫でてしまいがちですが、褒めるときは犬の目線と同じ高さで撫でてあげましょう。
叱るときは「その場ですぐに」が鉄則です。後から叱られても犬はすでに忘れており、いじめられたという認識になってしまいます。
上手に犬のしつけができないとどうなる?
叱ることをせずに甘やかしてばかりだと、自分本位でわがまま、言うことを聞かない犬へと成長してしまいます。
逆に叱ってばかりだと、嫌われることはもちろん、触らせてもくれません。ひどい場合には、唸ったり噛み付いたりすることも考えられますね。
上手にしつけることは、飼い主と犬の間だけではなく、周囲の人とのトラブル防止にもつながります。もし犬が他人に噛みついてしまったら、傷害罪に問われるだけでなく、賠償金を支払わなければならない可能性も!
「トイレ」はいつから教えるべき?
しつけの中でも「トイレ」をどのように教えたらいいのか、気になりますよね。
犬は生後1か月を過ぎた頃から排泄を覚えます。生まれてしばらく経った犬をもらい受けた場合には、迎えたその日からトイレを教えてあげましょう。
犬がソワソワしたり、部屋を歩き回ったりしていたら、排泄のサインです。抱っこでトイレまで連れて行き、上手にできるまで根気強く見守ってあげてください。
犬は自分のにおいがあるところに排泄します。トイレを掃除する際は、ある程度においを残しておきましょう。
犬のしつけはいつからが良いのか理解しよう!
犬を初めて飼う場合や飼い始めたばかりは、犬のしつけをいつからするべきなのか悩みますよね。
犬のしつけは、生後2〜3か月に行うのが適切です。大型犬は、生後3か月からが理想的だと言えるでしょう。
この記事ではその他にも、しつける前に慣らしておくべきことや、トイレの教え方なども紹介してきました。しかし何よりも大事なことは、愛情を持って接することです。
大切な愛犬とストレスフリーで長く付き合っていくためにも、正しいしつけ方をマスターし、実践していきましょう。