犬を初めて飼う方にとって、いつからしつけをすればいいのか、どのようにしつけをすればいいのかわからなくて不安ですよね。
犬が人間社会で暮らすためにはしっかりとしたしつけが必要です。しつけを怠ってしまうと予期せぬ事故が起きかねず、犬も飼い主も不幸になってしまいます。
この記事では初めて犬を飼う方に向けて、しつけを行う時期や方法、困ったときにどうすればいいかを紹介しています。犬との幸せな時間を築くためにも、ぜひ最後まで読んでくださいね。
(アイキャッチ出典元:https://www.photo-ac.com/main/detail/22532184?title=%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3)
なぜ犬はしつけをしないといけないのか
しつけをしなくても犬を飼うことはできます。しかし、もししつけをしないまま犬を飼うと何が起きてしまうでしょう?
- 家の中で好き勝手にトイレをしてしまう
- 人に撫でられると噛みつく
- 散歩中に飼い主の静止も聞かず、他の犬に危害を加えてしまう
これらのことが起きたとき、責任を取るのは犬でしょうか。もちろん、しっかりとしつけをしていなかった飼い主ですよね。
犬は可愛いという思いだけで飼うことはできません。飼い主が責任を持ってしつけをして、人間社会の中で暮らせるようにする義務があるのです。
犬のしつけはいつから始めればいいのか
「しつけ」と聞くと強制的にやらせているみたいに感じるので、「少し成長してから始めた方がいいかも」って思ってしまいますよね。
結論から言うと、犬のしつけは生後2~4か月から始めるのが理想です。
なぜかというと、一般的に生後3〜16週齢(生後4か月)くらいが犬の社会化期にあたるからです。社会化期は様々なことを柔軟に吸収できるため、しつけに最も適した時期であると言われています。
犬のしつけはいつから始めても遅くはない
社会化期はしつけに適した時期であるというだけで、それ以降にしつけが出来ないわけではありません。
多少時間はかかるかもしれませんが、適切なやり方で行えばしつけをすることができます。
ただし成犬になってからのしつけは、やってはいけない行動が習慣づいてしまっているため難しくなります。その場合はドッグトレーナーやしつけ教室に行って、プロのトレーナーに教えてもらうとよいでしょう。
犬のしつけをする前に気を付けたい5つのこと
しつけを開始する前に準備しておくべきことがあります。これからしつけを行う上で大事なことなので、愛犬のためにも必ず押さえておくようにしましょう。
- 飼育環境を整える
- 長時間のしつけは行わない
- 人のいる環境に慣れさせる
- 家族間でしつけに対する共通認識をもつ
- 怒鳴ったり叩いたりしない
飼育環境を整える
家族に迎えたばかりの犬にとって、飼い主と生活する環境は初めて見るものばかりです。色んなものに興味を示すため、危険なものに近づいたり口にしたりすると大きな事故につながる可能性があります。
まずは犬にとって安全な環境を整えましょう。具体的な内容を紹介します。
- キッチンや階段など危険な場所に近づかないようケージを配置する
- 誤飲したり噛んだりすると危険なものは置かない
- 安心できる寝床をつくる(母犬が使用していたタオルなどがあると尚よい)
新しい環境は犬にとってストレスになります。最初はあまり色んな所に置いておかず、慣れてきてから徐々に行動範囲を広げてあげるとよいでしょう。
長時間のしつけは行わない
最初は色んなしつけを覚えさせないといけないので、「早くしつけないと」と焦ってしまいますよね。
人間も同じですが、一度に色んなことを教えても犬が戸惑ってしまいます。また、一回教えただけですぐ出来るようにもなりません。
無理に一日でしつけようとすると犬にストレスがかかってしまいます。犬の成長に合わせて無理のない範囲で行いましょう。
人のいる環境に慣れさせる
人間社会の中では、犬にとって刺激が強すぎるものが多くあります。しつけをする前に、人と住む環境に慣れさせることを優先しましょう。いくつか例をあげます。
音がうるさい家電
ドライヤーや掃除機を急につけると犬はびっくりします。これらを使用する前には「ドライヤー使うね」などと声掛けをすると、そのうち飼い主の行動を覚えて危険な音でないと理解してくれるようになります。
ボディタッチ
いきなり体中を触らないようにしましょう。最初は頭や背中に触れるようにして、慣れてきたら手足やお腹を触っていくとよいでしょう。
外の環境
予防接種が終わるといよいよ散歩ができますが、いきなり外に行くと他の犬や人に興奮して吠えてしまうかもしれません。最初は犬を抱っこしながら散歩をして、外の環境に慣れさせてあげましょう。
家族間でしつけに対する共通認識をもつ
何かしつけをする際に、家族の中で対応が違うと犬が混乱してしまいます。
例えば「待て」を教えるために毎食練習しているのに、誰かがすぐにエサをあげるとなかなか「待て」を覚えてくれないでしょう。
犬とどう接するか、どのようにしつけをしていくか、あらかじめ家族の中で決めておくようにしましょう。
怒鳴ったり叩いたりしない
犬と暮らすにあたって、時には粗相をしたり何かを壊してしまうこともあるでしょう。でも、決して怒鳴ったり叩いたりしてはいけません。効果がないだけでなく、飼い主に対する恐怖心を持たせてしまいます。
してはいけないことを教えるときは、そのアクションを起こして1~2秒以内で静かに「ダメ」と教えましょう。それを過ぎてしまうと、何に対して「ダメ」と言われているか理解されないと言われています。
「出来たら褒める」「出来なかったら仕方ない」そういう風に接すれば、しつけがうまくいかなくても気持ちが楽になりますよ。
いつから何をしつければいいのか?~必ず教えたい編~
まずはしつけの中でも特に優先したいことを紹介します。これらのしつけは、犬を家族に迎えた日から少しづつ始めていくとよいでしょう。
- 自分の名前を覚えてもらう
- アイコンタクト
- トイレトレーニング
自分の名前を覚えてもらう
犬に自分の名前を覚えてもらうと、様々な点で役立ちます。名前を呼べば顔を向けてくれたり、近くに寄ってきてくれたりします。
名前を覚えさせるには条件付けが有効です。条件付けとは、ある行動を起こしたときにご褒美や罰を与えることで、その行動を覚えさせたり禁じたりすることです。
名前を呼んで顔を向けたり近くに来てくれたら、おやつをあげて褒めてあげましょう。そうすると「この音を聞いて反応するといいことがある」と理解して、自分の名前を覚えてくれるようになりますよ。
アイコンタクト
アイコンタクトの目的は、飼い主に注意を向けさせることです。アイコンタクトが出来るようになると、しつけやコミュニケーションがスムーズに行えるようになります。
アイコンタクトの訓練も条件付けが有効です。以下に手順を紹介します。
- 犬がおやつやおもちゃを欲しがっているとき、名前を呼ぶ
- それらを飼い主の目の近くに持っていく
- 飼い主と目があったときにそれらを与える
こうすることで、「名前を呼ばれる」→「目が合う」→「いいことがある」と条件付けをすることができます。
しつけとしても重要なアイコンタクトですが、単純に愛犬と目が合うと嬉しいですよね。ぜひ優先的に覚えさせるようにしましょう。
トイレトレーニング
家の中で犬がそこら中でトイレをすると大変ですよね。人の住環境内で飼育をする場合、トイレの場所を覚えさせるのは必須条件です。
特に子犬の場合はトイレの回数が多いのでより注意が必要です。犬はキレイ好きなので、ケージの中で寝床とトイレの場所を分けて環境を整えてあげましょう。
覚えさせ方としては、何度も同じ場所でトイレをさせることが有効です。下記のようなトイレをしそうなサインが出たときに、飼い主がトイレの場所に移動させてあげるとよいでしょう。
- 床のニオイをかぐ
- 同じ場所でクルクル回る
- ソワソワする
- しゃがむ動作をする
無事トイレが出来たらすぐに褒めてあげましょう。これらを繰り返すことでトイレをしていい場所を理解してくれるようになり、そのうち自分で移動してくれるようになります。
注意点としては、トイレを失敗したとしても決して怒ってはいけません。トイレ自体が悪いことだと認識してしまい、我慢したり隠れてトイレをしてしまうようになります。優しく、根気強く教えてあげましょう。
いつから何をしつければいいのか?~慣れてきたら編~
ここでは飼い主との暮らしに慣れてきてから始めるしつけについて紹介します。基本のしつけが出来ていることが前提なので、焦らずに犬のペースに合わせて進めてくださいね。
- 「おすわり」「待て」
- ハウス(クレート)トレーニング
- 留守番
「おすわり」「待て」
「おすわり」や「待て」は出来たら賢いぐらいの認識で、しつけなくてもいいんじゃないかって思ってしまいますよね。
しかしこれらのことを出来るようにしておけば、犬が好き勝手な行動をしないようにしたり、飼い主との主従関係を明確にすることが出来ます。
特に散歩中に他の犬に対して危害を加えないようにするためにも、ぜひしつけておきましょう。覚えさせ方としては、先述した条件付けを活用すればよいでしょう。
ハウス(クレート)トレーニング
ハウストレーニングとは、クレートを犬の専用部屋として寝床にするしつけです。犬が安心できる場所を作ることで、留守番など人がいない時でも穏やかに過ごしてもらうことができます。
またクレートは病院や災害避難時にも使用するので、安全のためにも必要なしつけと言えるでしょう。
しつけるときには、クレートは怖くないと認識させることが大事です。クレートの中にエサを置いたり、お気に入りのおもちゃをいれて、クレートに慣れさせてあげましょう。
またクレートの中にいるときに何かの弾みで扉が閉じてしまうと、「驚いた」「怖い」という印象を与えてしまいます。あらかじめ扉を外しておくか、勝手に閉まらないように固定しておくとよいでしょう。
留守番
猫と違い犬は元々群れで生活する動物なので、一人にされることに慣れていません。トレーニングをしないまま留守番をさせてしまうと、無駄に吠えたりイタズラをしたりと異常行動を起こしてしまいます。
まずは一人になっても大丈夫だということを教えてあげましょう。トレーニングの方法を紹介します。
- 犬をケージに入れた後、飼い主は何も言わずに別の部屋に移動する
- 数秒経ってから、何も言わずに戻ってくる
- 飼い主が他の部屋にいる間に吠えなかったら褒めてあげる
この手順を、飼い主が別の部屋にいる時間を徐々に増やしながら繰り返してください。そうすることで「飼い主はそのうち帰ってくる」ということを犬は学習し、一人でいても不安にならずに過ごせるようになります。
犬のしつけが上手くできないときはどうすればいいか
犬にも個性があるため、今まで紹介した方法でうまくしつけができないこともあります。
そういうときはしつけ教室に行きましょう。専門のトレーナーがいるので、しつけのことだけでなく育て方の悩みも聞いてもらえますし、他の飼い主さんと知り合うきっかけにもなります。
飼い主が悩みやストレスを抱えてしまうと、犬は敏感なのでそれを感じてしまいます。少しでも不安があれば、ぜひしつけ教室に通ってみましょう。
まとめ:犬のしつけは今日から始めよう!
この記事では、犬のしつけをいつから始めればよいか、どのように進めていけば良いかについて解説してきました。ここまで読んでいただいた方は、しつけの重要性をわかっていただけたと思います。
大切なのは、犬に対してしっかりと愛情を持って接することです。しつけが出来ていれば、旅行やショッピングなどに連れていきやすくなります。そうすれば、よりステキな思い出を愛犬と作ることができます。
無用なトラブルを避ける目的もありますが、愛犬とより良い時間を過ごすためにもしつけは必要です。早速今日からしつけを始めましょう!