仕事をしていると、ふとした瞬間に「辞めたい」と思うことはありませんか?
人生100年時代と言われる昨今、「今の職場で働いていいのか」と漠然とした不安を持ってしまうことがありますよね。
とはいえ転職にもなんとなく不安があり、どう行動したらいいかわからなくなっている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、仕事を辞めたいと思ったとき何をすればいいのか、転職をするときはどのような準備をすればいいのかを紹介しています。きっとあなたの助けになる情報があるので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
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仕事を辞めたいと感じるのは普通のこと
まず最初に理解していただきたいのは、仕事を辞めたいと感じることは誰にでもあり、特別なことではないということです。
「ここまで育っててもらったのに申し訳ない」「ただ逃げようとしているだけではないか」責任感がある人ほど、自分に何か原因があるのではと悩んでしまいます。
確かに、なんとなく仕事を辞めたいと思っているだけならば、考え直した方がいいでしょう。しかし何か理由があってそう思っているのであれば、あなたが新しい一歩を踏み出すチャンスかもしれません。
まずは冷静になって現状を把握することから始めましょう。次の章から詳しく説明していきますね。
仕事を辞めたいと感じたときにやるべき3つのこと
仕事を辞めたいと感じているときは、すぐに行動するのではなく事前準備をしっかりしましょう。まずは今から紹介する3つのことを実践してみてください。
- 辞めたい理由を明確にする
- 辞めたい理由を解消できないか検討する
- 信頼できる人に相談する
辞めたい理由を明確にする
仕事を辞めたいと感じたとき、何か原因となった理由があるはずです。その理由を明らかにしていきましょう。
理由を明確にしておかないと、転職活動において何を重視すればいいのかわからなくなります。解決すべき課題が見えていないので、転職できたとしてもすぐに「仕事を辞めたい」と思ってしまうかもしれません。
また家庭がある場合、退職は世帯収入の減少につながるため、ライフプランの見直しも必要になります。なぜ辞めたいか説明できないと、家族の理解を得られないでしょう。
辞めたい理由は「自分で改善できるもの」と「自分で改善できないもの」に分類しましょう。そうすることで、今後の活動方針が立てやすくなります。
辞めたい理由を解消できないか検討する
整理した辞めたい理由の中から、「自分で改善できるもの」を今の職場で改善できないか検討しましょう。
例えば人間関係が理由なら別部署への異動願いを出してみる、仕事の多さが理由なら仕事を減らしてもらうよう上司に相談する、といった具合です。
転職は少なからずリスクがあります。転職せずに悩みが解決するのであれば、それに越したことはありません。
もし改善しなかった場合でも、転職活動を行うときに「こういう改善活動を行ったが実らなかった」と転職理由の説明として使えます。
信頼できる人に相談する
仕事を辞めたいと考えているときは、つい一人だけで悩んでしまい視野が狭くなりがちです。
冷静な意見をもらうためにも、信頼できる友人・同僚に相談してみましょう。もし転職経験者がいれば具体的なアドバイスがもらえると思うので、積極的に話を聞くようにしましょう。
ただし相談相手に上司を選ぶのはおすすめしません。一般的に上司はあなたの人生よりも会社や組織の今後を優先して考えます。そのため何かアドバイスをもらえても、本当にあなたのことを考えたものかはわかりません。
よほど信頼できる上司なら別ですが、そうでなければ相談候補に入れない方がよいでしょう。
仕事を辞めたいと感じたときに辞めるべき4つの理由
仕事を辞めるべき理由とはどういうものだと思いますか?それは自分では解決出来ないことが理由になっているときです。
この章では仕事を辞めるべき4つの理由を紹介します。このうちのどれかが該当している場合は、転職を検討した方がいいでしょう。
- 人間関係が悪い
- 会社・組織に問題がある
- キャリアプランが見えない
- 給与が安い
人間関係が悪い
人間関係が完璧な職場というものはめったにありません。どこの職場でも、それなりに人間関係の悩みはあります。しかし、それでも限度はあります。
いくら自分は変えられても、他人を変えることはできません。常にストレスを感じる職場で仕事をしているなら、転職を検討したほうが賢明でしょう。
会社・組織に問題がある
新人教育をしっかりしなかったり、パワハラが横行しているような職場は、例え自分が当事者ではなかったとしても精神衛生上良くありません。会社全体の問題である可能性が高いので、早々に転職を検討しましょう。
また、会社の経営状況が悪い場合も転職をおすすめします。よほど今の会社に恩義がない限り、仕事を続ける意味はないでしょう。
キャリアプランが見えない
職場の上司を見ていて「いつも忙しそうだな」「ああはなりたくない」としか感じない場合、あなたは今の職場で働き続けるべきではないでしょう。
ほとんどの会社は社員を成長させて昇格させようとします。あなたもいずれそのポジションになり、部下に同じような気持ちを持たせてしまう可能性があります。
また、自分がやりたい仕事が今の職場で出来ないとわかったときも、転職を検討する時期としては間違っていないでしょう。
給与が安い
給与が安いことが理由で仕事を辞めたいと考えている場合、退職するかは一旦置いておいてまずは転職活動をすることをおすすめします。
なぜなら、転職活動を通じて自分の市場価値がわかるからです。あなたが感じている「安い給与」は客観的にみると妥当な金額かもしれませんし、もしかすると高いかもしれません。
明らかに安い給与だとわかっているなら転職すべきですが、それが不明確な場合は自分の市場価値を知ってから検討すべきでしょう。
仕事を辞めたいと感じても辞めてはいけない3つの理由
今度は逆に、仕事を辞めたいと感じても辞めてはいけない理由について紹介します。
下記のどれかに該当する場合、転職をしても後悔する可能性が高まってしまいます。順に説明していきますね。
- 短期間で仕事が合わないと決めつける
- フリーランスへの安易な憧れ
- 精神的な疲れ
短期間で仕事が合わないと決めつける
数か月しか仕事をしていない状態で「この仕事が合わない」と決めつけるのは早計です。
新しい仕事を始めたばかりのころは覚えることも多く、最初から仕事が楽しいと思えることはなかなか無いでしょう。
目安としては1年働いてみると、会社のことや仕事内容が把握できるようになってきます。それでも仕事内容が合わないと感じるなら、転職を検討しましょう。
フリーランスへの安易な憧れ
「人間関係に悩まない」「自由な働き方が出来る」フリーランスに対してこのような良いイメージを持ち、なんとなくフリーランスでやっていこうと退職してしまう人が稀にいます。
しかしフリーランスといえど、取引先との折衝交渉は必要ですし、決められた契約のもとで働かないといけません。個人事業主になるので税金の処理は自分で行わないといけないですし、休むとその分収入が減ります。
また会社員のときは、事務方や同じ組織のメンバーから様々なサポートを受けていたはずです。「一人で仕事ができる」という思い込みは危険なので、冷静に自分の力量を見極めなければいけません。
フリーランスになることは悪いことではありませんが、会社員とフリーランスのメリット・デメリットをしっかり比較検討してから決断しましょう。
精神的な疲れ
もしあなたが精神的に疲れてしまって仕事を辞めたいと考えているなら、退職ではなく休職を検討したほうがよいです。
精神的に疲れているときは、満足に転職活動もすることができません。休職期間に心身ともにしっかりと休息をとり、同時になぜそこまで疲れてしまったのかを整理出来ると良いでしょう。
「精神的に疲れた」ことが仕事を辞めたいと思った理由ではなく、「精神的に疲れてしまった原因」こそが根本理由のはずです。
回復して復職できたあともその理由が改善出来ていない場合は、改めて転職を検討するとよいでしょう。
転職は悪いことでも特別なことでもない
転職と聞くと、「仕事から逃げるのか」「忍耐力がない」と言ってあなたを責めてくる人もいるかもしれません。そういう人の声は無視しましょう。
確かに一昔前までは、一つの会社で勤め上げることが美徳とされていました。しかしそれは、好景気で終身雇用が保証されていた時代のことです。
近年、不景気の中にあってはどの会社も安泰とは言えません。今後は、一つの会社ではなく、どこの会社でも活躍できるような人材が必要とされるでしょう。
仕事を辞めたい理由をしっかり整理出来ていれば、その決断は間違いではありません。自信を持って、新しいキャリアへの道を探しましょう。
転職活動においてまずやるべき4つのこと
今まで転職をしたことがない人は、「まず何をすればいいんだろう」と悩んでしまいますよね。
転職活動は新卒の就職活動とは準備する内容が異なります。そこを理解しておかないと、採用面接において十分に自分をアピールできません。
この章では、転職活動をするにあたってまず準備しておくべきことを紹介します。
- 転職理由を明確にする
- 転職先に求めるものの優先順位を決める
- 自分が「何ができるか」を整理する
- 転職エージェントを利用する
転職理由を明確にする
転職時の採用面接にあたって、「なぜ転職するのか?」という質問を必ず投げられます。ここで「今の会社の待遇に不満があります」とだけ話してしまうと、面接官に良い印象を与えることはできませんよね。
「なぜ不満に思ったのか」「その不満をどう解消しようとしたのか」ここまで話すことができると、面接官にポジティブな印象を与えることができます。
また「自分では改善できないこと」が理由の場合は、正直に話してしまっていいでしょう。立派な転職理由ですし、問題視されるようなことでもありません。
転職先に求めるものの優先順位を決める
残念ながら、全てが望み通りの転職先を見つけるのはほぼ不可能です。
もちろん、全てが今の職場より良くなってほしいと思うことは間違っていません。しかし永遠に転職活動が出来るわけではないので、どこかで妥協点は必要になってきます。
優先順位をつけて絶対に譲れないポイントを決めておくとよいでしょう。
自分が「何ができるか」を整理する
ポテンシャルも重視している新卒採用と違い、企業は中途採用者を即戦力として期待していることがほとんどです。
そのため、転職先にアピールできるようスキルを整理しておく必要があります。ただし注意点として、スキルは客観的な視点で説明できるようにしましょう。
例えば「リーダーを務めることができる」と説明されても、企業によってはリーダーの意味合いが違いますし規模も違うので具体性に欠けます。
「5人程度の組織をマネジメントして毎月の目標を達成するために○○をしていました」というように、具体的かつ他の職場でも活躍が期待できそうな言葉で説明できるとよいでしょう。
転職エージェントを利用する
転職活動は在職中に行ったほうがいいですが、仕事をしながらの活動は負担が大きいです。
転職エージェントは、転職者と企業をマッチングするために様々なサービスを提供してくれます。ほとんどの転職エージェントが無料で利用でき、主に以下のようなサービスがあります。
- 採用面接のスケジュール調整
- 給与の交渉
- 転職先企業の選定、相談
- 履歴書や職務経歴書の添削
電話面談などで気軽に相談もできるのもポイントです。メリットが多いので、ぜひ転職エージェントを活用してください。
仕事を「辞めたい」ではなく「辞める」と伝える
めでたく転職先が決まり、いざ現職に退職を意思を表明するところまで来たとします。
そのとき、会社を「辞めたい」ではなく「辞める」と伝えましょう。なぜなら「辞めたい」という言葉は「まだ決めていない」というニュアンスを持たしてしまい、引き留めに合ってしまう可能性があるからです。
「給料を上げる」「待遇を良くする」そういう言葉をかけてきたとしても、それらは全て嘘です。ただ、嘘だとわかっていたとしても、無駄な押し問答は避けたいですよね。
「仕事を辞める」「転職先が決まっている」という風に、既に退職の意志が固いことを最初から伝えるようにしましょう。
退職理由は明確にしなくていい
退職の意思を表明したときに、退職理由を聞かれることがほとんどです。
言える内容であれば問題ありませんが、中には言葉にしづらいこともあります。そんな時は、本当の理由を話す必要はありません。「一身上の都合」で済ませるか、嘘の理由を伝えても構いません。
転職サイト「リクナビNEXT」に掲載されている「転職理由と退職理由の本音ランキングBest10」を見てもわかる通り、多くの人は建前の退職理由を伝えています。
波風を立てて退職する必要はないので、言いづらい内容のときは無難な理由を伝えたほうがいいでしょう。
円満退社するためにやるべき3つのこと
会社や人は意外なところでつながりがあるものです。前職での言動が、巡り巡って転職先にも届いてしまう可能性もあります。もし正当な理由なく強引に退職を進めると、転職先での評価に悪影響が出るかもしれません。
そうならないためにも、基本的には円満退社を目指しましょう。この章では、円満退社のためにやるべきことを紹介します。
- 退職の申し出時期は就業規則の定めを守る
- 退職日は繁忙期を避ける
- 仕事の引き継ぎはしっかり行う
退職の申し出時期は就業規則の定めを守る
就業規則には「退職をする場合は○か月前に申し出をする」というニュアンスの記載があるはずです。この定めは守るようにしましょう。
法律上は14日前に退職の申し出をすればいいことになっています。とはいえ、就業規則は従業員が順守すべきものです。退職するからといって、簡単に破っていいものではありません。
もちろん、会社側が不当に退職を認めてくれない場合はこの限りではありません。その場合は、労基署に相談したり退職代行を依頼するとよいでしょう。
会社によっては、退職の申し出時期以外にも就業規則に記載があることがあります。事前に目を通しておくようにしましょう。
退職日は繁忙期を避ける
退職日は出来る限り繁忙期を避け、引き継ぎや事務手続きが余裕を持って行えるようにしましょう。
社員の退職時、会社側は組織変更や引き継ぎが必要になることがほとんどです。繁忙期に退職をしてしまうと、忙しい上司や同僚の負担をさらに上げてしまうことになります。
ヒマなときがなく常に忙しいという場合は、せめて仕事の切れ目の時期にしましょう。
転職先からは早く入社してほしいと言われるかもしれませんが、そこは現職の事情を説明して理解してもらいましょう。むしろ、仕事に対して誠実であるという印象を持ってもらえるはずです。
仕事の引き継ぎはしっかり行う
一般的な就業規則には、「退職時には不足なく業務の引き継ぎを行う」というニュアンスの定めがあるはずです。もしなかったとしても、仕事の引き継ぎは必ず行いましょう。
仮に引き継ぎをしないまま退職し、業務に支障が出て取引先を失うなど実害が発生すると、最悪の場合損害賠償を求められる可能性もあります。
特に自分しか知らない業務内容に関しては、丁寧過ぎるぐらいに引き継ぎを行いましょう。元々は自分が担当していた仕事です。社会人として、責任を持って仕事を片付けていきましょう。
まとめ:仕事を辞めたいという思いを伸びしろにしよう
仕事を辞めたいと考えているときは、どうしてもネガティブな気持ちが大きくなってしまいがちです。
しかし仕事を辞めたい理由を整理することは、今後の人生を見つめ直すいい機会でもあります。人生のターニングポイントとも言えるでしょう。
転職をすることで今まで以上に力を発揮できる人もいますし、現職に留まって改善活動に乗り出し評価される人もいます。社会人としてキャリアアップ出来るチャンスと考え、ポジティブに行動を起こしていきましょう!