これから登山を始める方が注意する点として、見落としがちなのが服、つまり、登山ウェアの色なのです。
「登山をするときの服の色って自分の好きな色で良いのでは?」と思われるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
間違った色を着て登山に行ってしまうと、最悪の場合、生命が脅かされる事態になりかねません。
この記事では、登山に潜む危険性やどの色が安全か、危険かを紹介していきますので、登山でけがをしたくない、最後まで登山を楽しみたいかたは最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%e7%99%bb%e5%b1%b1-%e7%94%b7-%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%a4%e3%83%ab-%e9%81%93-%e5%b1%b1-455338/
登山での遭難事故件数は年々増加傾向に
そもそも、なぜ登山をするときの服の色が重要かというと、山で遭難しないためなのです。
警察庁によると、令和3年の山岳遭難件数は2,635件、遭難者数は3,075人であり、遭難件数は過去2番目に多く、遭難者数は過去3番目に多くなっています。
また、遭難者数のうち、死者・行方不明者は283人、負傷者は1,157人となっており、46.8%の遭難者が何らかの傷を負っていることがわかります。
(参考:https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/chiiki/r03sangakusounan_gaikyou.pdf 警察庁:令和3年における山岳遭難の概況)
登山には危険がいっぱい
登山には「遭難する」以外にも様々なリスクがあることを知っていますか?
動物や虫に襲われる、転倒する、急に気分が悪くなるなど、登山は危険と隣り合わせの状態で行うアクティビティなのです。
しかし、動物や虫に襲われることに関しては、服の色を気をつけることでトラブルを防ぐことができます。
このように、あなたが登山をするときに「遭難する」「動物や虫に襲われる」などのリスクを抑えるためにも、登山するときの服の色は重要なのです。
登山中に遭難しない・危険を回避する服の色は?
では、今まで紹介したリスクを抑える服の色は何色だと思いますか?
結論、赤、青、黄の3色は登山中の遭難率を抑え、危険を回避するために最も良い色です。
なぜかというと、赤、青、黄の3色は自然の色とかけ離れているため、遭難したとしても目立ちやすく、すぐに見つかる可能性が高くなるから。
また、この3色は動物や虫が敵と認識しない色となっているため、急に襲われる可能性が低い色でもあるからです。
登山には青色の服が最適
赤、青、黄の3色の中でも、特に青が登山をするときの服の色として最適です。
その理由ですが、「プルキニェ現象」という、薄暗い場所や夜間では赤よりも青が見えやすくなるという現象が関係しています。
(参考:http://www.saiconkk.com/pdf/bl.pdf (カタログ)車止めブロック青色反射板.PDF)
遭難した人はたいていの場合、更地のような目立つ場所ではなく、物陰や木が生い茂っている暗い場所にいますよね。
つまり、遭難したときに赤色の服を着ているときよりも、青色の服を着ているときが見つかりやすいため、登山するときの最適な服の色は青色だと言えます。
時期によっては危険な色に
登山をするときの服の色として、赤、青、黄の3色が良いとお伝えしましたが、秋に赤、黄の登山ウェアを着るのは逆効果になります。
秋は紅葉やイチョウなどの紅葉が生い茂り、山一面に咲き乱れますが、その中に赤や黄の登山ウェアを着ていても、周りと同化してしまい、遭難するリスクが上がります。
ほかの時期に赤、黄の登山ウェアを着るのは大丈夫ですが、秋だけは青や緑など、周りと同化しない色にして登山を楽しみましょう。
登山中に遭難しやすい・危険を寄せ付ける服の色は?
登山中のリスクを上げてしまう服の色は黒、茶、ベージュ、迷彩の4つとなります。
黒や茶は色そのものが暗い色をしており、遭難したときに非常に見つかりにくい色となっています。
また、黒や茶は動物や虫が敵と認識する色となっているため、出くわすと突然襲われ、けがを負ってしまうことにもなりかねません。
ベージュや迷彩は明るい色をしており、大丈夫と思われるかもしれません。しかし、地面や木など、山中で見る色と非常に似ているため、遭難したときに黒や茶の登山ウェアを着ている人より見つかりにくくなります。
特に黒色の服は最悪!
登山中のリスクを上げてしまう服の色の中でも、黒は絶対に着てはいけません。
黒の登山ウェアを着てしまうと、遭難したときに夜は絶対に見つからないことや、動物・虫に襲われるなどのリスクが一番高くなります。
しかし、お店で販売されている登山ウェアの中にも黒のものはあり、ファッション感覚で着ることも可能なため、黒の登山ウェアを着ている人が少なくないのも現状です。
登山は常に危険と隣り合わせのアクティビティですので、人の目を気にすることは捨て、安全最優先で安全な色の登山ウェアを着ましょう。
男性は服の色を選ぶときに注意
黒、茶、ベージュ、迷彩は男性がよく着る服の色であり、人気も高いです。
しかし、登山ウェアも黒、茶、ベージュ、迷彩のどれかにしてしまうと、遭難するリスクや動物・虫に襲われるリスクが高くなってしまいます。
男性が明るい色の服を着ること自体あまりない経験であり、恥ずかしいと思っているかもしれません。
パートナーや男性の家内が黒、茶、ベージュ、迷彩いずれかの色の登山ウェアを買おうとしていたら、これらの色は危険であると教えてあげてください。
暗い色の服を着たいなら、バッグを明るい色にしよう
ここまで、登山中のリスクを抑える服の色と、リスクを上げてしまう服の色を見ていきましたが、中には「どうしても特定の色の服が着たい」「すでに暗い色の服を買ってしまった」という方もいらっしゃるでしょう。
そのときの対処法として、バッグや帽子などの装飾品を明るい色にするというものがあります。
例えば、登山ウェアが上下黒でも、バッグと帽子が青色であれば、遭難しても見つかりやすくなります。向きによっては、動物や虫に襲われるリスクも低くできるでしょう。
このように、どこか1つでも明るい色のものを取り入れるだけでも、安全に登山はできますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
まとめ:好きな色ではなく、安全な色の服を着て登山しよう!
せっかくの登山ですので、好きな色の服を着て楽しみたい気持ちはわかりますが、遭難すること、動物や虫に襲われることを考えると、安全な色の服を着たほうが、後に良い思い出となる確率は高くなります。
登山中のリスクを抑える色は赤、青、黄であり、リスク上げてしまう色は黒、茶、ベージュ、迷彩です。
バッグや帽子だけでも構わないので、着るもののどこかに赤、青、黄を取り入れて、安全に登山を楽しみましょう。