最近良く耳にする格安SIMとはいったい何なのか。「安い」ということだけは分かるけれど、サービスがしっかりとしているのか、どのような仕組みで安くなっているのかが分からない…..
本記事では、そんな「格安SIMとは何か」、「どのような仕組み」で安くなっているのか等を実際の格安SIM会社を紹介しながら徹底解説していきます!
この記事を読めば、格安SIMの全てを網羅できる内容となっているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/23783718#goog_rewarded
そもそもSIMとは何か?
格安SIMはよく耳にするけれど、そもそもSIMとは何なのでしょうか?
SIMとは、iPhoneやAndroidなどのスマホを「電話機」として使うために必須のICチップのことです。ここで簡単に、スマホ等の端末を「電話機」として利用する仕組みを紹介します。
SIMカードはスマホなどを購入した際に、契約ケータイ会社から発行されます。SIMカードには電話番号や契約者情報など、スマホを「電話機」として使うための必要な情報が記録されています。
また、3G、4G、5G、LTEなどのモバイル回線の送受信のためにも必要となります。このモバイル回線はWi-Fiとは別物で、インターネットを使うことができるのはこのSIMカードのおかげです。
格安SIMとは何?
スマホを「電話機」として使うために必要なものがSIMカードと分かりましたが、いったい格安SIMとはいったい何なのでしょうか?
格安SIMとは、大手携帯会社(NTTドコモ、au、ソフトバンク)よりも毎月の料金が格安で電話や通信サービスを使用できることです。
注意していただきたいのは、SIMカードそのものが格安なのではなく、契約した携帯会社の通信サービス料金が格安ということです。
現在、格安SIMを提供する格安SIM会社は20社を超えており、毎月のデータ通信料や料金から、自分に最適なプランを選択できることが大きな魅力です。
格安SIMの値段が安くなる仕組みとは?
それでは、なぜ格安SIM会社は非常に安くに通信サービスを提供できるのでしょうか?その答えは、格安SIM会社は大手携帯会社から通信設備をレンタルしているからです!
大手携帯会社は、通信サービスを提供するために通信設備の設置や店舗の設置。また、それに関わる維持費や人件費が必要となります。これらの経費は通信サービス料として上乗せされているため、値段が高くなります。
一方、格安SIM会社は通信設備をレンタルしています。そのため、大手携帯会社のような維持費が必要ありません。格安SIM会社は店舗を展開していないものも多く、人件費なども必要がありません。
このように、大手携帯会社が必要とする経費よりも格安SIM会社が通信設備をレンタルする方が圧倒的にコストカットになります。そのため、格安SIM会社は安く通信サービスを提供できるわけです。
格安SIMと大手携帯会社との比較
ここで、格安SIMと大手携帯会社の違いを比較してみましょう。この内容をもとに格安SIMか大手携帯会社が良いのか是非参考にしてみてください。
大手携帯会社 | 格安SIM会社 | |
料金プラン | ・値段が高い (最低でも5,000円~) ・料金プランが少ない |
・値段が安い ・料金プランが豊富 |
通信・通話品質 | 時間帯にかかわらず高速通信 | 時間帯によって遅くなる |
実店舗 | 店舗数が多くサービスが充実 | 店舗数が少ないまたは電話やメール対応のみ |
かけ放題オプション | ・家族間なら無料 ・その他通話サービスも充実 |
・家族間も有料 ・大手よりも割高 |
本体価格 | ・一括価格は高め ・月々の割引により実質価格は安くなることが多い |
・安い物から高い物まで様々 ・割引なしがほとんど |
メール | キャリアメールを使用可能 | フリーメール中心 |
補償制度 | ユーザー過失でも手厚い | 盗難・紛失に対して補償外としているものが多い |
大手携帯会社は値段が高い代わりに通信サービスの安定性や実店舗でのサービス、補償制度などが充実しています。
一方、格安SIMでは料金プランが充実しているものの、通信の不安定さや実店舗での対応、補償制度などが大手携帯会社よりも劣っています。
大手携帯会社は手厚いサービスを受けたい人、格安SIM会社は自分で困った時の対応ができる人が向いているとも言えます。 (2022年5月現在)
格安SIM会社を5つ紹介
ここで、実際の格安SIM会社を5つ紹介します。今回紹介するのは「LINEMO」、「楽天モバイル」、「Y!mobile」、「UQモバイル」、「ahamo」です。
今回は特に、「月額料金」、「初期費用」、「使用回線」、「支払い方法」、「5G対応」、「店舗の有無」について紹介します。ぜひ、格安SIM会社選びの参考になればいいなと思います。
なお、今回紹介する情報は2022年5月時点の情報のためご注意ください。今後変更があった場合は公式サイトなどの確認をお願いします。
LINEMO
LINEMOには3GBのミニプランを20GBのスマホプランの2種類が展開されています。5G対応エリアは2022年4月現在、東名阪、東北、北陸の一部エリアで使用可能です。
LINEの友達登録をすることで各種お問い合わせが可能です。ソフトバンクまとめて支払いが利用できるので、デジタルコンテンツやアプリの購入を頻繁に活用する人には便利です。
月額料金 | 3GB:990円 20GB:2,728円 (税込価格) |
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初期費用 | 0円 |
使用回線 | ソフトバンク |
支払い方法 | クレジットカード、口座振替 |
5G対応 | 〇 (一部エリア) |
店舗の有無 | なし (Web、LINEで対応) |
楽天モバイル
楽天モバイルは、ワンプランで毎月のデータ使用量ごとに月額料金が変わるようになっています。使用する人の生活に合わせて料金が変動するため、使用量を気にせず使うことができます。
よく楽天でお買い物などをする人は、楽天モバイルの月々の支払をすることでポイントが貯まるためおススメです。
月額料金 | ~1GB:0円 1GB~3GB:1,078円 3GB~20GB:2,178円 20GB~無制限:3,278円 (全て税込価格) |
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初期費用 | 0円 |
使用回線 | 楽天回線、パートナー回線(au) |
支払方法 | クレジットカード |
5G対応 | 〇 |
店舗の有無 | 〇 |
2022年6月に、現在の0~1GBまでの0円プランが終了します7月からは0~3GBまでが1,078円のプランとなるのでご注意ください。
Y!mobile
Y!mobileはS(3GB)、M(15GB)、L(25GB)の3つの料金プランが展開されています。また、余ったデータ容量は翌月に繰り越しされるのが特徴です。
家族割引サービスを使用することで2回目以降に1,188/月が割引となるため、家族で契約するとお得になります。
月額料金 | 3GB:2,178円 15GB:3,278円 25GB:4,158円 (全て税込価格) |
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初期費用 | 3,300円 (オンラインは無料) |
使用回線 | ソフトバンク |
支払い方法 | クレジットカード、口座振替 |
5G対応 | 〇 |
店舗の有無 | 〇 |
UQモバイル
UQモバイルはS(3GB)、M(15GB)、L(25GB)の3つの料金プランが展開されています。毎月のデータ使用量を超えてしまっても、最大1Mbpsでつながることができます。
また、au回線を使用しているため全国で利用可能です。5Gエリアは一部で提供しており、順次拡大しています。au IDを利用したauかんたん決済の利用も可能です。
月額料金 | 3GB:1,628円 15GB:2,728円 25GB:3,828円 (全て税込価格) |
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初期費用 | 3,300円 |
使用回線 | au |
支払い方法 | クレジットカード、口座振替 |
5G対応 | 〇 |
店舗の有無 | 〇 |
ahamo
ahamoはたっぷり使用できる20GBの1プランのみです。月額料金に5分間の通話無料サービスもついています。また、追加料金なしで海外82の国と地域でデータ通信が使用可能です。
電話をたくさんする人は、1,100円の追加料金でかけ放題プランを追加することができます。
月額料金 | 20GB:2,970円 (全て税込価格) |
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初期費用 | 0円 |
使用回線 | ドコモ |
支払方法 | クレジットカード、口座振替 |
5G対応 | 〇 |
店舗の有無 | 〇 (1回3,300でWeb申し込みをサポート) |
格安SIM会社の契約から使用開始までの流れ
ここまで本記事を読んでくださった方の中には、ぜひとも格安SIMを契約しようと思った方も多いのではないでしょうか?
しかし、実際にどのように契約すれば分からない方もいると思います。
そこで、主な格安SIMの契約方法についてご紹介します。なお、ここでは一般的な契約方法についての紹介となるため、詳しくは契約する格安SIM会社のサイトをご確認ください。
- 契約する格安SIM会社を選ぶ
- 格安SIMを適用する端末(スマホ)を選ぶ
- MNP予約番号を発行
- 格安SIM会社に申し込む
- SIMカードの受け取り・差し替え
- 初期 (APN) 設定
- 動作確認
契約する格安SIM会社を選ぶ
まず初めに、格安SIMを契約する前に契約する格安SIM会社を選ぶ必要があります。現在、20社を超える格安SIM会社が存在しています。そのため、データ容量や料金プランなどもたくさんあります。
値段だけでなく、契約する可能性のある格安SIM会社のサイト等を確認して家族割りやかけ放題プラン、通信速度などを比較して、自分にとって最適な会社を選んでください。
格安SIMを適用するスマホを選ぶ
格安SIMは、現在使用しているスマホと新規購入するスマホのどちらでも適用することが可能です。
使用中のスマホであれば、SIMロック解除する必要があります。SIMロックとは大手携帯会社の回線以外を使用できない状態のことです。ロックを解除することで格安SIM会社の回線を使用することができます。
使用中のスマホは、契約格安SIM会社から送られるSIMカードを契約者が交換する必要があります。
新規購入の場合、契約時に使用するスマホを選択して契約することができます。手元に届いた時からSIMカードが挿入されている場合もあります。自分で交換する手間が省ける代わりに、スマホ代が必要となります。
MNP予約番号を発行
格安SIM会社と新たに契約しても、電話番号を変えたくない人も多いと思います。MNP予約番号を現在契約している携帯会社から発行してもらうことで現在の電話番号を引き継ぐことができます。
MNP予約番号は、携帯会社へ電話することで無料で発行できます。注意点として、MNP予約番号は発行日から15日間が有効期限であるため、早めに申し込みをする必要があります。
格安SIM会社に申し込む
ここまでの手順で契約する格安SIM会社・使用する端末の決定、MNPの登録ができました。これでようやく申し込みへと進むことができます。
申し込みは、契約格安SIM会社のwebサイトを参考にオンラインまたは店舗での申し込みができます。申し込みの際は各会社の手順に従ってください。
なお、申し込みの際は本人確認書類が必要です。運転免許証・マイナンバーカード・健康保険証・パスポート・身体障碍者手帳が手元にあるとスムーズに申し込みが可能です。
SIMカードの受け取り・差し替え
申し込みが完了すると、申し込みをした契約会社からSIMカードが届きます。SIMカードは申し込み後3~5日で届きます。
現在使用しているスマホで新しいSIMカードを使う際は、古いカードを抜きましょう。そして、新しいカードをSIMトレイに載せてスマホ本体に戻すことで差し替え完了です。
SIMカードのトレイはSIMピンまたはペーパークリップを用いることで簡単に取り出すことができます。この時、スマホを傷つけないようにご注意ください。
初期 (APN) 設定
SIMカード差し替え後は初期 (APN) 設定を行いましょう。APN設定をしないとスマホでデータ通信ができないので必ず行う必要があります。
iPhoneの場合、Wi-Fi接続状態で「APN構成プロファイル」というファイルをダウンロードする必要があります。
「契約会社の名前 APN構成プロファイル」と検索して、APN構成プロファイルをインストールします。インストール後は完了ボタンをタップすることで設定終了です。
Androidの場合、設定画面を開きます。「無線とネットワーク」→「モバイルネットワーク設定」を選択。「アクセスポイント名」の一覧からAPNを選択することで登録完了です。
動作確認
以上の操作で、スマホを格安SIMで使う準備がすべて完了しました。最後に、電波が繋がっているかの動作確認を行います。
Wi-Fiを切った状態でアンテナマークの隣に「LTE」や「4G」、「5G」と表示されていれば大丈夫です。実際に検索等をしてみてインターネットが使えるかも確認してみましょう。
問題がなければ、ようやく格安SIMデビューとなります。ぜひ格安SIM生活を満喫してください。
格安SIMにする際の注意点5つ
格安SIMは様々な魅力がある反面、注意点もあります。特に以下の5つの点には注意しましょう。
- メールアドレスの変更をする
- 契約先のSIMカードをスマホで使えるか確認する
- 電話・インターネットが使えない期間を作らない
- 解約金の発生や機種代の残りを確認する
- 契約中の携帯会社のポイントを使い切る
メールアドレスの変更をする
大手携帯会社と契約している方は、キャリアメールを利用している方も多いのではないでしょうか。大手携帯会社と解約して格安SIMに乗り換えた場合、キャリアメールが使えなくなります。
現在はG-mailやicloudメールなどのフリーメールがたくさんあります。乗り換える前に、これらのメールを作っておくと便利です。キャリアメールからフリーメールへの変更も忘れずにしておきましょう。
契約先のSIMカードがスマホで使えるか確認する
現在使用しているスマホで格安SIMを使いたい人は、契約先の格安SIMが使えない場合があるので注意しましょう。申し込み前に、契約したい会社の使用可能なスマホを確認することでこの問題を防ぐことができます。
また、SIMカードには様々な大きさのものがあるためサイズが違ったということにならなように気をつけましょう。
電話・インターネットが使えない期間を作らない
大手携帯会社と解約して、格安SIMに申し込み実際に使えるようになるまで電話やインターネットが使えない期間が生じる可能性があります。格安SIMに申し込む前に解約することでこの期間が生じます。
格安SIMと新たに契約して、しっかりと電話やインターネットが使えることを確認後に現在の携帯会社と解約することで防ぐことができます。
解約金の発生や機種代の残りを確認する
大手携帯会社と契約している人は、2年契約をしている人が多いと思います。契約期間中に解約すると、解約金が発生します。そのため、格安SIMに乗り換える際は契約更新月がベストです。
スマホの端末代を月々支払っている人は、解約する際にスマホの機種代が残っている場合があります。機種代が残っていても格安SIMと契約は可能です。
解約する前に解約金や機種代がいくらあるのか、ショップや携帯会社のマイページから確認しておきましょう。
契約中の携帯会社のポイントを使い切る
大手携帯会社と契約すると、毎月の利用料金を支払うことでポイントが貯まっていることがあります。また、意識的にこれらのポイントを有効活用している人も多いのではないでしょうか。
このポイントは、解約することで使用できなくなることがほとんどです。せっかく貯まったポイントを有効活用して使い切ることがおススメです。
まとめ:上手に格安SIMを活用しよう
本記事では、格安SIMとはどのようなものか。なぜ値段が安くなっているのかを最初に紹介しました。そして、大手携帯会社との違いや実際の例、契約方法などについても紹介しました。
この記事を読むことで格安SIMとはどのようなものであるか理解してもらえたのではないでしょうか。色々と書いてきましたが、特に以下のポイントをしっかり覚えておきましょう。
- 格安SIMは大手携帯会社よりも毎月の使用料金が格安である。
- 格安SIMはプランが豊富で最適なプランを選択することができる。
- 格安SIMは大手携帯会社の通信設備のレンタルや人件費などのコストカットしているため、使用料金を格安にできる。
以上の3点を説明できたら、あなたは格安SIMとは何かをしっかりと理解できたと言えるでしょう。ぜひ、今後格安SIMを上手に活用してみてください。