「複数の証券口座を持つとお得と聞いたけど、大きなデメリットがないか心配」と、複数の口座開設をためらっていませんか?
たしかに面倒くさい作業が増えたりトラブルになったりとデメリットが多いのなら、複数の証券口座開設は遠慮したいところですよね。
しかし証券口座を複数持てば、デメリットだけでなく大きなメリットも得られます。複数の証券口座があれば、効率的にあなたの資産を増やせる可能性がでてくるでしょう。
この記事では証券口座を複数持つ意味やメリット・デメリット、あなたに合った証券口座の選び方などを解説します。ぜひ最後まで本記事に目を通して、賢く資産を増やしましょう。
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/25513590?title=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E5%8C%BA+%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E8%A8%BC%E5%88%B8%E5%8F%96%E5%BC%95%E6%89%80
証券口座は複数持てるがデメリットもある!
証券口座は銀行口座と同様に、同じ証券会社内で開設できる口座は1口座のみです。
しかし、ほかの証券会社でなら開設可能です。複数の証券会社でそれぞれ1つずつ開設すれば、複数の証券口座を保有できます。
証券口座の保有には管理費や手数料などの費用はかからないため、メリットがあるのなら複数の口座を保有したいところです。
しかし複数の証券口座を開設した場合、デメリットが生じます。証券口座を複数持つデメリットは、どのようなものがあるか解説します。
証券口座を複数持つデメリットは2つ
証券口座は基本的に証券会社1つにつき1口座しか開設できませんが、証券会社を変えれば複数の口座を開設できます。
しかし証券口座を複数持つと、以下にあげる2つのデメリットに悩まされるかもしれません。複数の証券口座開設を考えている方は、2つのデメリットを把握したうえで開設を検討しましょう。
- IDやパスワードの管理が大変
- 資金把握が面倒
IDやパスワードの管理が大変
証券口座を複数持つとIDやパスワードは講座の数だけ必要になり、わずらわしい手間が増えてしまいます。
特にネット証券を利用する場合、IDやパスワードが必要です。そのため複数の証券口座を持つと、証券口座ごとのIDやパスワードを管理する手間がでてくるのです。
また、パスワードは何度も間違えると再設定になる場合もあり、さらに余計な手間がかかってしまいます。
資金把握が面倒
複数の証券口座を保有すると、口座全体の資金把握が厄介になります。
複数ある証券口座全体の資産状況を把握するためには、すべての証券口座を自分で確認して計算しなければなりません。
またさまざまな証券を購入した場合、値上がりした証券もあれば値下がりしたものもでてくるでしょう。そのため、すべての証券を確認して投資成績をつける作業が、非常に面倒くさいものになるのです。
証券口座を複数持つと必ず確定申告が必要?

複数の証券口座を持つ場合、確定申告をしなくてはいけないケースがでてきます。
証券口座には源泉徴収ありの特定口座と、源泉徴収のない簡易申告口座があります。特定口座は証券会社が源泉徴収から納税までを行いますが、複数の口座を保有していると口座間で損益通算ができません。
たとえば証券会社Aで購入した証券が100万円プラスで、証券会社Bでは100万円マイナスの場合、損益通算するとプラスマイナス0円となります。
しかし、特定口座は口座間で損益通算されないため、証券会社Aで源泉徴収されて納税が行われます。そのため自分で損益通算して確定申告を行い、先に納税した分の還付を受ける必要があるのです。
証券口座を複数持つメリット
証券口座は保有するだけなら、管理費や手数料などの費用はかりません。そのためデメリットよりもメリットが大きいのなら、複数の証券口座を持った方がいいでしょう。
ここでは証券口座を複数持つメリット5つをあげ、それぞれ解説します。
- IPOの当選確率アップがアップする
- システムトラブル時にほかの証券口座を使える
- 購入できる商品の幅が広がる
- 多くのサービスが利用できる
- リスク分散になる
IPOの当選確率がアップする
複数の証券口座を持つと、IPO(新規公開株)を手に入れるチャンスが広がります。
利益がでやすいIPOの取引は抽選で決まりますが、IPOの当選確率は1~2%程度ともいわれています。
そのためIPOに当選するためには、少しでも当選確率をアップさせたいところでしょう。その手段が、複数の証券会社からの応募です。
複数の証券口座を持てば、IPO株に申し込める機会が増えます。抽選回数が増えれば、IPO株に当選する確率は数倍にアップするでしょう。
システムトラブル時にほかの証券口座を使える
複数の証券口座を保有していれば、システムトラブル時にも被害を最小限におさえられます。
証券口座では時おり、システムトラブルが発生します。システムトラブルが発生すると、その証券口座では売買ができません。
システムトラブルがあった場合、買い時の証券があったとしても当然購入できません。また急に現金が必要だとしても、証券を現金化できない事態になるのです。
万が一のシステムトラブルでも、複数の証券口座を持っていれば売買のタイミングを逃さずにすむでしょう。
購入できる商品の幅が広がる
複数の証券口座を利用すれば、さまざまな形の商品を選べるのもメリットです。
証券会社によって取り扱う金融商品が違います。また、通常の証券取引所以外での取引が可能な「PTS(私設取引所)」や1株単位で売買できる「単元未満株」を扱う証券会社などもあります。
複数の証券口座を持てば商品選択の幅が広がるため、自分にあった商品をすぐに見つけられるでしょう。
多くのサービスが利用できる
複数の証券口座を保有すれば、さまざまなサービスが利用可能になります。
証券会社によって提供するサービスが違います。手数料が安い証券会社や情報に強いところ、ツールが充実しているところなどがあります。
ほかにも無料セミナーを開催している証券会社や、アナリストによる無料レポートを提供しているところなどさまざまです。
複数の証券口座を持てば、証券会社の強みをいいとこどりできるでしょう。
リスク分散になる
証券会社を複数持てば、万が一のことが起こっても被害を分散できます。
めったにないことですが、証券会社も倒産する可能性があります。また倒産といかないまでも、ほかの証券会社と統合して業務内容を変更する場合もあるでしょう。
そのため、複数の証券会社に資産を分散させれば、まさかの時にもリスクを減らせるのです
デメリットを回避する証券口座の選び方

証券口座はやみくもに増やしてしまうと、メリット以上にデメリットに悩まされてしまうかもしれません。
証券口座を持つさいは、以下にあげる3つのポイントをおさえて選びましょう。
- 取引手数料は安いか
- 外国株の数は多いか
- 単元未満株を取り扱っているか
取引手数料は安いか
証券取引には手数料がかかるため、なるべく取引手数料が安いところを選びましょう。1回の手数料は少額かもしれませんが、取引を何度も行えば結構な金額にあるものです。
取引手数料には約定ごとに手数料がかかるコースや、1日の約定代金の合計で手数料がかかるコースがあります。
取引が少ない方は約定ごとのコース、多い方は約定代金の合計で手数料を支払うコースがおすすめです。自分の取引ペースを考えてコースを選びましょう。
外国株の数は多いか
外国株は、証券会社によって取り扱う種類が違います。そのため、外国株を選択肢に入れたい方も、複数の口座を持った方がメリットになります。
自分が現在所持している証券口座について「外国株を扱っていないのが残念」と感じているのなら、外国株を多く扱っている証券会社の口座開設を考えましょう。
単元未満株を取り扱っているか
単元未満株とは、1単元(100株)に満たない株のことです。株は通常1単元からしか売買できませんが、単元未満株なら1株から購入できます。
単元未満株なら資金が少なくても購入できるため、非常に扱いやすい証券といえるでしょう。単元未満株を取り扱っている証券会社の口座も、1つは開設したいところです。
複数持ちたいデメリットの低いおすすめの証券口座
証券口座を複数持てば、さまざまなメリットあります。とはいえ、証券口座なら何でもいいわけではありません。目的もなく口座を増やせば、メリットよりもデメリットが多くなるでしょう。
以下で紹介する5つのネット証券は、口座開設のメリットが大きい人気の証券会社です。複数の証券口座開設を考えている方は、ぜひ選択肢の1つにしてください。
- SBI証券
- 松井証券
- auカブコム証券
- 楽天証券
- マネックス証券
SBI証券
SBI証券は、口座開設数1,000万を突破している人気の高い証券会社です。
手数料も格安で、2023年9月30日より国内株式の売買手数料が0円になるゼロ革命を始めました。ゼロ革命では、諸条件を満たせば国内の株式取引・現物取引・信用取引の売買手数料が0円になります。
IPO銘柄では2023年3月の新規上場会社の98.9%を取り扱った実績があるため、IPO銘柄狙いの方はぜひ口座を開設しておきたい証券でしょう。
また「問い合わせ窓口格付け」「Webサポート格付け」で最高評価の3つ星を獲得しているため、初心者にも安心です。ぜひネット証券顧客満足度ランキング1位にも選ばれているSBI証券で、取引を始めてください。
出典:https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/irpress/prestory230907_011500.pdf
https://life.oricon.co.jp/rank_certificate/
松井証券
松井証券は、充実したサポート体制やさまざまな無料情報ツールで「2023年オリコン顧客満足度調査ネット証券初心者部門」第1位を獲得しました。そのため、初心者でも安心して投資が始められると評判です。
松井証券では口座開設費や口座維持費などさまざまな費用が無料で、取引手数料に関しても約定代金合計50万円までが無料です。さらに25歳以下の方は、取引手数料についても無料になります。
証券の取引や情報収集は、専用のスマホアプリでいつでもどこからでも確認できます。どうしたらいいのか判断に迷う場合でも、株の取引相談窓口があなたの意思決定をサポートしてくれるでしょう。
さらに投資について深く学びたい方のために、楽しみながら学べる投資情報動画メディア「マネーサテライト」を提供しています。まずはあなたの投資を支えてくれる、松井証券のサイトをのぞいてみましょう。
auカブコム証券
auカブコム証券は情報の整理やチャート分析機のツール・アプリに強く、2023年「MINKABU」のネット証券ランキング「チャート部門」「銘柄検索部門」で1位を獲得しています。
たとえば200以上の条件設定ができるスクリーニングツール「カブナビ」や66種類のチャート機能を搭載している「EVERチャート」など、さまざまなツール・アプリが利用可能です。
また、投資信託の積立投資は100円から始められ、100円以上なら1円単位で調整可能です。購入手数料が無料なのも、うれしいポイントでしょう。
「最初は少額からやってみたい」と考えている方は、ぜひコーヒー代で投資が始められるauカブコム証券を選択肢に入れてください。
出典:https://minkabu.jp/hikaku/?utm_source=minkabu&utm_medium=bottom_fix&utm_campaign=20201109
楽天証券
楽天証券のつみたてNISAは300万口座を突破し、NISA口座数1位を誇ります。新規口座開設数も過去5年間No.1で、つみたてNISA口座のシェアは全体の証券会社全体の56.3%と圧倒的でしょう。
投資初級者で投資のハードルが高いと感じる方には、楽天ポイントで投資ができるポイント投資を用意しています。ポイント投資は100ポイントから投資信託の売買ができるため、投資を経験したい方におすすめです。
さらに楽天証券と楽天銀行や楽天カードを連携させると、どんどん楽天ポイントが貯まる仕組みもうれしい利点でしょう。
投資信託や信用取引の手数料は0円です。楽天ポイントを貯めながら、低コストで投資を経験してみましょう。
マネックス証券
マネックス証券は、1株単位で取引できるワン株(単元未満株)が特徴です。基本的に株の購入は100株単位ですが、ワン株では1株から取引可能です。1株とはいえ、配当金や株主優待のある本格的なものといえます。
マネックス証券では、日本株の現物取引手数料は最低水準の55円で利用可能です。また、NISAや投資信託積立などの取引手数料は無料です。
米国株が充実していて、取り扱い銘柄は5,000以上にのぼります。また銘柄の情報や分析が可能な「銘柄スカウター米国株」を、無料で利用可能です。
最小額で株主気分が味わえるマネックス証券のワン株が気になる方は、以下のリンクからさらに情報を集めてみましょう。
証券口座を複数持つなら目的別で考えよう
複数の証券口座を持つなら、自分の目的にあった証券会社選びが重要です。
IPOの当選確率をあげたいのに、目当てのIPOがなかったら意味ありません。また、似たようなサービスの証券会社の口座を複数持っても、効果的ではないでしょう。
複数の口座を持つ場合は証券会社それぞれの特色を把握して、メリットが最大化できる組み合わせを考えましょう。大きなメリットを得たい方は、次の4つのポイントをおさえてください。
- IPOを狙いたい
- 手数料を安くしたい
- 外国株に投資したい
- 少額投資をしたい
IPOを狙いたい
IPOを狙うためには、複数の証券口座を持った方が有利でしょう。その中でも、新規公開する有価証券の「主幹事」実績の多い証券口座がおすすめです。
主幹事は、新規に売り出す有価証券の作業進行やスケジュール管理の中心的役割を担います。重要な役割に比例して、割り当てられる株も多くなるのが一般的です。
そのため、IPO株を希望している方は、主幹事実績に注目して証券会社を選びましょう。以下の証券会社は主幹事実績が多く、IPO狙いの方におすすめです。
- SMBC日興証券
- SBI証券
- 大和証券
手数料を安くしたい
ほとんどのネット証券では一日定額制のサービスを利用すると、100万円までの取引には手数料がかかりません。
そのため、手数料が無料になる金額を超えて投資したい場合は、複数の口座を開設してそれぞれ無料の範囲で投資するといいでしょう。
1つの口座から300万円を投資すると手数料がかかりますが、300万円を100万円ずつ、3か所の証券口座から投資すると手数料はかかりません。
100万円までの取引手数料が無料(現物・信用取引1日定額制)になる主な証券会社は、以下の会社です。
- SBI証券
- 楽天証券
- auカブコム証券
- GMOクリック証券
- SBIネオトレード証券
- 岡三オンライン
外国株に投資したい
「外国株を購入したいけど、自分が利用している証券会社は外国株取り扱い数が少ない」と物足りなさを感じているのなら、複数の証券口座を持ちましょう。
日本の経済状況が悪くても、世界に目を向ければ景気のいい国や地域があります。しかしほかの国や地域の株式に投資したくても、自分の開設した証券口座が外国株を取り扱っていなければ取引できません。
複数の証券口座を持つと外国株を含め購入できる金融銘柄が増えるため、投資の幅が広がります。複数の証券口座と契約して、投資の可能性を広げてください。
外国株に興味がある方は、以下に掲載している表を参考にしてください。
外国株を取り扱っているネット証券 | ||||
米国株 | 中国株 | |||
証券会社名 | 取引銘柄数 | 取引手数料 | 取引銘柄数 | 取引手数料 |
マネックス証券 | 5,000銘柄超 | 約定代金の0.495%(最低0米ドル~上限h22米ドル) | 2,000銘柄超(ほっこん市場に上場するほぼすべての銘柄) | 約定金額(香港ドル)の0.275%
最低49.5香港ドル~上限495香港ドル |
DMM株 | 2,427 | 0円 | ー | ー |
SBI証券 | 5,400銘柄超 | 約定代金の0.495%(最低0米ドル~上限h22米ドル) | 1,300銘柄超 | 約定金額(香港ドル)の0.286%
(最低51.7香港ドル~上限517香港ドル) |
楽天証券 | 4,600銘柄超 | 約定金額の0.495%
(最低0米ドル~最高22米ドル) |
1,500銘柄 | 約定代金の0.55%
(最低550円~上限5,500円) |
少額投資をしたい
少額から投資したい方は、単元未満株を扱っている証券会社がおすすめです。一般的な株は100株単位で取引されますが、単元未満株は1株から売買できる商品です。
メインで取引している証券口座が単元未満株を取り扱っていない場合は、新しく単元未満株の取り扱いがある証券口座を開設しましょう。
単元未満株を取り扱っている主な証券は、以下の5つの証券会社です。
- SBI証券
- auカブコム証券
- 岡三オンライン
- マネックス証券
- PayPay証券
NISA口座は複数持てない!

証券口座を複数持つことは可能ですが、NISA口座は1人1口座と決まっています。NISA口座を1つ開設したら、違う証券会社でもNISA口座は開設できません。
ただし、家族単位で複数のNISA口座を持つのは可能です。たとえば、夫婦で1つずNISA口座を持つのは差しつかえありません。
NISA口座は1つしか持てませんが、他の金融機関への変更は(1年に1回限り)可能です。
使わなくなった口座はデメリットになる前に対処しよう
証券口座を複数作ってみたものの使用していない口座がある場合は、残高維持手数料がかかることがあるため早めに解約した方が無難です。
証券口座を解約する際は取引履歴を保管しておき、税金の申告や証明書の提出を求められるケースに備えましょう。
また、解約予定の証券口座に証券を保有している場合は、証券の売却やほかの口座へ引継ぎを行ってください。未決済の取引がある場合、解約手続きはできないので注意しましょう。
証券口座の複数開設はデメリットをさけてメリットを最大に!

証券口座は同じ証券会社内で開設できるのは1つまでです。しかし、別々の証券会社で口座を開設すれば、複数の証券口座を持てます。
複数の証券口座を保有すると、IDやパスワードの管理が大変になったり複数口座にある資金の把握が大変になったりと、デメリットがあるのは確かです。
しかしそれ以上に「IPOの抽選回数が増える」「購入可能な金融商品に幅がでる」など、多くのメリットがあります。自分の投資目的に合った証券会社を選べば、口座を複数持つメリットが最大化されるでしょう。
ぜひあなたも証券口座を複数開設して、資産を効率的に増やしてください。まずはあなたにふさわしい証券会社を、インターネットで探してみましょう。