「トカゲを飼いたいけど、餌は虫だけしかダメ?」「飼い方が難しそう」と考えてしまい、なかなかトカゲを飼うことに踏み切れないのではないでしょうか。
大切な命を預かり、世話をするのはとても不安ですよね。トカゲという生き物はマイナーと思われがちですが、しっかりとした人気があるペットの種類です。
しっかりとトカゲの飼い方を学んで、安心して大切なパートナーを迎えられるように準備しましょう。
この記事では、トカゲを飼う上での食性別の餌についてや餌の与え方、注意するべき点などを細かく説明していきます。最後まで読んで、参考にしてみてくださいね。
アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2894888?title=%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%B2&searchId=1328329792
トカゲとはどういう生き物なのか?
私たちの生活の中で馴染みのあるトカゲは、世界各地で約4,500種類が確認されています。その姿は様々で、わずか30mm程度の種類やコモドドラゴンのように2~3m以上の大きい種類もいます。
寿命も5年程度しか生きられないものや、30年以上生きるトカゲもいるのです。また食事も同様に植物や肉食、昆虫または雑食といった食事も種類によって全く異なります。
虫が苦手な人はトカゲを飼うことが難しいと思われがちですが、人工飼料を食べてくれるように慣らした個体であれば、虫が苦手でも餌には困ることがないので安心してくださいね。
トカゲの飼い方【用意するもの】
トカゲの体調管理などで必ず必要なものを紹介します。何かが足りない状態はトカゲにとって非常に危険なので注意してください。足りないものがないようにしっかりとチェックしておきましょう。
- ケージ
- ライト
- 床材
- シェルター
- 水
- 温湿度計
- 餌
ケージ
大き目なゲージを用意しましょう。トカゲはよく動く生き物なので、ゲージが小さいと運動不足からストレスを感じてしまい、寿命が縮まる恐れがあります。
また、初めてトカゲを飼おうと考えている方は、大きいケージの方がトカゲが好む温湿度管理がやりやすいのでおすすめですよ。
ライト
トカゲは日光が大好きな生き物です。日差しがないと病気や体調不良の原因になってしまうので、十分に注意しましょう。
ライトは赤外線ライトと日光浴用のバスキングライトの2つを設置してくださいね。
- 赤外線ライト
- バスキングライト
赤外線ライト
紫外線を浴びることでトカゲはビタミンDとカルシウムを生成します。これらの栄養が不足してしまうと、「くる病」と呼ばれる骨軟化症を発症する可能性があるので注意してくださいね。
バスキングライト
トカゲは変温動物(外気温によって体温が変化する生き物)なので、体を温められるホットスポットを設置してください。日光浴しやすいように石やレンガなどの上に、バスキングライトを設置するといいですよ。
床材
床材は砂漠の砂を再現したものや消臭効果がある床材など種類は様々です。自分が飼いたいトカゲが何の床材を好むか、トカゲを購入する際にペットショップで相談してみるのもいいと思いますよ。
シェルター
トカゲにとって安心できるシェルターはとても重要です。シェルターの上に乗って紫外線を浴びることもでき、中に入ることで赤外線から逃れたりもできます。
またケージ内のレイアウトを考えながら、シェルターの形状を選ぶのも楽しいですよ。
水
水飲み場と水浴び用で水入れは必ず必要です。飼うトカゲのサイズが合えば入れ物は、タッパーや小皿でも大丈夫ですが、レイアウトを考えて新しく岩などのデザインの入れ物を買っても楽しいですよ。
温湿度計
温湿度計は、トカゲが邪魔にならないように設置しましょう。場所は、暖かい場所に設置するといいです。もし不安に感じるのであれば、2・3箇所に温湿度計を設置すると確実に温湿度を管理することができますよ。
餌
トカゲは何でも食べる雑食か、昆虫、肉食、植物のみ食べる種類がいます。トカゲを購入する際に、必ず人工飼料を食べてくれる個体か確認しておくようにしましょう。
そうすることで、虫が苦手でも安心して飼うことができるでしょう。
トカゲの飼い方【食性別の餌】
トカゲは種類によって食性は様々です。ここでは食性別に何を食べるのか、どういった種類がいるのかを簡単に説明していきますので、トカゲ選びの参考にしてみてくださいね。
- 昆虫食性
- 雑食性
- 肉食性
- 草食性
昆虫食性
昆虫食は主に小型から中型の種類が多く、ペットでも生きた昆虫や昆虫を原料にした人工飼料を好みます。
トカゲ種類 | ニホントカゲ、ニホンカナヘビ、レオパードゲッコーなど |
---|---|
餌の種類 | コオロギ、ミルワーム、デュビア、レッドローチ、ハニーワーム、シルクワームなど、また昆虫を原材料にした人工飼料もある |
雑食性
中型の種類に多いのが雑食です。雑食でも昆虫を与えると食いつきがいいのですが、栄養バランスが偏らないように注意しましょう。
トカゲ種類 | フトアゴヒゲトカゲ、アオジタトカゲ、オニプレートトカゲなど |
---|---|
餌の種類 | 若い時はコオロギなどの生きた昆虫を好むが、段々と野菜や肉、人工飼料を栄養バランス考えながら与えるといい |
肉食性
主に大型のトカゲが多い肉食性は、幼い時は昆虫を食べて成長します。最初からマウスなどの肉は食べないので注意してくださいね。
トカゲ種類 | サバンナモニター、オオトカゲの仲間など |
---|---|
餌の種類 | 幼い時は昆虫を好み、成長後はマウスやウズラなどを与える |
草食性
草食のトカゲは一見簡単そうに見られがちですが、非常に難しいので注意してください。体も大きく力も強いので初心者にはおすすめできませんよ。
トカゲ種類 | グリーンイグアナ |
---|---|
餌の種類 | 人間が食べる野菜を食べるが、与え続けると体調不良の原因になるものや与えられない野菜もあるので、購入の際に要確認 |
トカゲの飼い方【餌の与え方】
餌について学んだら、次は餌の与え方です。YouTubeなどで直接手から与えてるものもありますが、最初は真似しないようにしてください。
今回の3つの餌の与え方を学んで、トカゲにストレスなく餌を食べてもらえるようにしていきましょう!
- 餌皿
- ピンセット
- ケージ内に餌を撒く
餌皿
ミルワームやサシを与える場合や野菜などの餌を与える場合には、餌皿を用意してください。昆虫を与える場合は、逃げられないように返しがある容器の方が使いやすいでしょう。
ピンセット
ピンセットでの与え方は餌をつまんで、軽く揺らしながらトカゲの目の前に持っていくと食べてくれやすいです。
ピンセットは鉄製のものだと怪我をしやすいので、竹製のものがおすすめです。また、ピンクマウスやコオロギは、トカゲの顔の半分ぐらいの大きさをあげるようにしましょう。
ケージ内に餌を撒く
ピンセットから食べない場合には、ケージの中に生き餌を撒く方法がおすすめです。
ただし、この場合には生き餌の後ろ足を切って与えてください。動きを遅くすることで、捕まえるのが苦手なトカゲであっても食べやすくなります。
またたくさん餌を入れてしまうと生き餌が反撃して、トカゲが噛まれてしまう場合もあるので牙を切って与えることも必要です。
トカゲの飼い方【餌を与える時の注意点編】
トカゲに餌を与える時には様々な危険性があり、長生きしてもらうためにもしっかり把握しておくようにしましょう。3つの注意点だけでも頭の片隅に入れてくださいね。
- 冷凍の餌はしっかり解凍する
- 生き餌は嚙まれないようにする
- 餌の大きさは個体に合わせる
冷凍の餌はしっかり解凍する
ピンクマウスなどの冷凍された餌は、与える前にしっかりと解凍しておきましょう。解凍がしっかりできていないと消化不良になり、体調不良や寿命を縮めてしまう恐れもあります。
解凍する際は、ピンクマウスなどを袋に入れて、お湯につけて解凍するのがいいですよ。
生き餌は嚙まれないようにする
生きた昆虫は反撃しようとトカゲに噛みつくことがあります。体や口内を噛まれて怪我をしてしまうと、生き餌を怖がり食べなくなることがあります。
そのため、ジャイアントミルワームやコオロギは顎の力が強いので、心配であれば頭や顎を潰してから与えてあげてくださいね。
餌の大きさは個体に合わせる
餌の大きさも注意が必要です。トカゲの顔より大きいと食べられなかったり、食べられても喉に詰まらせてしまう場合があるので注意してください。
喉に詰まると最悪死に至ることもあるので、餌の大きさの選定も飼い主の大切な仕事のうちです。
トカゲの飼い方【餌はサプリメントも取り入れる】
トカゲを飼育する上で、重要なのがサプリメントです。昆虫や冷凍マウス・野菜だけをあげていれば「健康そうだから大丈夫だ」と思われがちですが、それだけだと栄養が偏ってしまうので注意しましょう。
栄養が偏った食生活をさせているトカゲはカルシウムやビタミンが不足してしまい、くる病(骨が変形して手足が動かせない病気)にかかってしまう場合があります。
パウダー状のサプリメントを餌にまぶして与え、毎日の健康チェックを行いながらバランスのいい食事を心掛けてあげてくださいね。
おすすめの餌を知ってからトカゲを迎えよう
食性別に色々な餌の種類が出てきましたが、「結局は何を食べさせればいいの?」と思いますよね。大切なトカゲが安心安全に食べられて、なおかつ栄養価も高いものがいいと誰もが考えるでしょう。
ここでは、食性別におすすめの餌をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
昆虫食性 | デュビア・レッドローチ(栄養価が高く、飼育が簡単) サシ(野菜室で一ヶ月保存できる) 昆虫食の人工飼料(簡単) |
---|---|
肉食性 | ピンクマウス(栄養価が高く、サイズも選べる) |
雑食性 | 昆虫食や肉食、草食で挙げた餌 |
草食性 | チンゲン菜、モロヘイヤ、小松菜(タンパク質やカルシウムが豊富) |
トカゲを飼う問題は餌だけではない!
トカゲを飼うためには、餌問題だけではありません。例えば、毎日水を与えたり、掃除もしなければいけません。ここでは3つの気を付けるべき点を紹介していきます。
- 水
- 掃除
- 適切温度の調整
水
トカゲは基本水をたくさん飲むので、毎日新鮮な水を与えましょう。水に関心のない種類には、霧吹きでケージを濡らしてあげてください。
自然界のトカゲは葉っぱについた水滴を飲んでいるので、それを演出すると飲んでくれる場合もありますので、ぜひ試してみてください。
掃除
トカゲのフンや霧吹きによる水垢などで汚れている場合は、必ず掃除してあげましょう。それが臭いの原因にもなります。
また忘れないようにシェルターの掃除もしてあげてください。「トカゲが隠れるところだから、また今後」と思っていると汚れが落ちなくなってしまいます。定期的に丸洗いしておきましょう。
適切温度の調整
飼うトカゲによって適切な温度は違うものの、毎日温度の確認はするようにしましょう。
トカゲは変温動物なので、好んだ温度でないと体調を崩してしまいます。長生きにも繋がりますので、温度管理は徹底してあげましょう。
大切なパートナーと長く付き合うためには?
初心者は単独飼育を行いながら、脱皮時には注意してみてあげましょう。またトカゲがかかる病気の種類を知っておくことも重要です。初めてトカゲを飼うと多くの方が経験されるのが拒食です。
拒食は、餌を全く食べなくなるという一種の病気です。この場合、ストレスを抱えている可能性が大きいです。ケージが小さすぎたり温度や湿度が適切でなかったり、触れすぎてしまっているといった原因が考えられます。
トカゲは繊細な生き物のため、こうしたストレスの原因などを徹底的に取り除いてあげてくださいね。
まとめ:トカゲの飼い方を理解しておくこと
トカゲは種類によっても餌の種類も色々あります。食性に合わない餌を与えてしまうと消化不良になったり体調を崩してしまいます。自分が飼うトカゲの食性はしっかりと把握しておくようにしましょう。
餌のやり方一つで、トカゲにとっては大きなストレスにもなります。人間も同じく人に見られながら食べたり、ストレスと感じている時は食事も食べられなくなったりしませんか?
トカゲも同じように感じていることを理解して、大切なパートナーを迎えるようにしてください。
- 自分が飼うトカゲの食性を確認
- 飼う時に人工飼料を食べるか食べないかの確認
この2つだけをしっかり把握しておけば、トカゲを飼ったあとに「こんなはずでは…」と思わないはずです!この記事を参考にしながら、自分に合ったトカゲを見つけてみてくださいね。